妄想小説
潜入捜査官 冴子 第二部
三十一
「ひっ・・・。」
倫子の手によって冴子の剥き出しの陰唇がアルミ洗濯バサミの餌食になる。
「そして、もう一つ・・・。」
「あうっ・・・。」
「どうした。陰唇に洗濯バサミをふたつ付けられたぐらいで。もうひとつあるんだよ。こいつは。」
「ま、まさか・・・。」
「そう。そのまさかの場所だよ。女の一番感じやすいところさ。おさねって言ってね。」
「い、いやっ。やめてっ・・・。」
冴子の必死の懇願も聞き入れられることなく、倫子の意地悪そうな指でつるつるの冴子の陰唇上部が捲りあげられると最後の洗濯バサミが露わにされた蕾の肉芽を挟みつけるのだった。
かろうじて悲鳴を挙げるのは堪えた冴子だったが、まなじりにはもう涙が浮かび始めていた。
「ふん。いい格好だよ。変態女にはお似合いだよ。鬼源はすぐには戻って来ないだろうからね。マゾの悦びをたっぷり味わうがいいわ。」
最後にピシャッと抵抗出来ない冴子の頬を張り直すと勝ち誇った形相で意気揚々と座敷を出て行く倫子なのだった。
鬼源が連れて来られた大広間には組の若い衆が勢ぞろいしていた。その集団の前に一人の男が血だらけで蹲っていた。
「おい、マサっ。誰にやられた?」
鬼源の問い掛けに若い衆の前に蹲った男はやっとの事で声を出す。
「しゃ、社長・・・。わ、わかりません。」
「龍虎組の奴等じゃなかったのか?」
「わかり・・・ません。いきなり、後ろから襲われちまったんで・・・。」
「おい、誰かマサが襲われたところを見た奴は居ないのかっ?」
鬼源の問いに、若い衆はお互いに顔を見合わせるが答えるものは居なかった。鬼源は暫く腕を組んで思案していた。
「いいか、お前等。龍虎組が仕掛けたってはっきりするまで勝手に手を出すんじゃねえぞ。俺があっちの頭ときっちり仁義を切ってナシを付けたんだ。間違ってましたじゃ済まねえんだぞ。いいか。まずしっかり誰にやられたのか調べるんだ。その上でどうするかは俺が決める。」
「わかりやした、親分。」
不服そうではあったが鬼源の言葉に否を唱えるものは居ないのだった。
倫子が予言した通り、鬼源はなかなか戻っては来なかった。一番辛かったのは包皮を剥かれた上で抓まれたクリトリスだった。痛みが刺激となるが為に却ってクリトリスが充血して肥大化し、そこに金属の強いバネが食い込んで自分にはどうにもならない苦しみと、ある種のえも言われぬ愉悦に悶え苦しんだのだった。
冴子が額に脂汗を流しながら倫子が遺して行った責め苦に堪えている時に、突如襖を叩く音が聞こえてきたのだった。
「旦那さま。猿蔵でございます。いましがた、倫子奥さまが屋敷に入られた様子です。如何致しましょうか。」
先程、鬼源社長を呼びにきた若い衆の手下とは別の部下の一人らしかった。冴子は答えたものか逡巡する。しかし咄嗟に冴子は判断した。
「鬼源社長は今は居ません。先程出て行かれました。」
「そうでしたか。・・・。では、失礼いたします。」
「ま、待って。猿蔵と言ったわね。入って・・・。猿蔵っ。入って来て頂戴。」
「しかし・・・。旦那さまのお許しがなければ座敷に入る事は出来ません。」
「いいの。・・・。わたしは奈美よ。鬼源の愛人の奈美よ。わたしの命令です。私の命令は鬼源社長の命令も同じです。入って来なさい。」
暫くの沈黙の後、襖がゆっくりと開かれた。
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