妄想小説
深夜病棟
四十七
「あいつはまだ酔ってはいたが目覚めていたと思い込んでいるけどな。そうだ。その時の画像を一枚、お前にも分けておいてやろう。どれがいい?」
「え、このうちの一枚ですか。そうだなあ。このフェラチオさせられてるのが一番刺激的だけど、先生の待受けだから同じのじゃ・・・。そうだ、これがいいや。」
羽黒が指し示したのは、スマホの画像を繰っていって見つけた一枚で、スカートを捲り上げられショーツまで下されてしまっているのに茉優が完全に眠りこけているのを写したものだった。
「なんだ。こんなのがいいのか。じゃあ、いまメール転送してやる。」
「いいじゃないですか。何も抵抗出来ないで今にも犯されてしまうんだっていうような感じ。」
しかし羽黒は茉優が完全に眠り込んでいる間に裸にして縛り上げたことを証明する写真として選んでいたのだ。それに池田は気づいていなかった。
「あ、来ました。エロ画像、ゲットです。」
「いいか。この事はここだけの秘密だぞ。お前ももう既に共犯者なんだからな。」
「わかってますって。」
証拠の写真と証言を引き出すと、羽黒は役目を終えて当直室を出て行ったのだった。
トントン。
「神藤茉優です。入りますよ、池田先生。」
深夜当直室にやってきた茉優は命じられたとおりに超ミニのナース服のままだ。
「入ったら内側から鍵を掛けておけ。その方がお前の為にもいいだろうからな。」
「わかりました。」
あらためて茉優は当直室のソファにふんぞり返っている池田に対峙する。
「今日はいよいよお前を犯してやる。ただ、お前を抱いただけじゃあつまらんからな。ちょっと趣向を用意してやったぞ。」
「何ですか、趣向とは?」
「ふふふ。これさ。」
そう言って傍らの布が掛けてある四角いものを指差す。茉優が何だろうと首をかしげていると、池田は手でその布をするすると引っ張って、下にあるものを披露する。
「あっ、そ、それは・・・。」
布の下にあったのは額縁に入った一人の男の実物大の顔写真で、以前に茉優が尿瓶をその上に置いて放尿させられた時のものだった。
「懐かしいだろ。お前の愛しい浅野先生だ。」
「どうして、浅野先生の写真なんか・・・。」
「お前がこの写真の前で、これを見ながら犯される為さ。さ、縛ってやるから両手を後ろに交差してこっちへ来い。」
「ああ、また縛るのですね。」
もうすっかり観念したように顔を俯かせて両手を後ろで交差させると池田のほうへ背を向けて差し出す。
「ふふふ。縛られると嬉しいくせしおって。いまヒイヒイ泣かせてやろう。」
次へ 先頭へ