妄想小説
深夜病棟
三十六
(どうせこの後、あの大嫌いな池田に犯されてしまうのだわ。だったらその前に・・・。)
そんな思いが茉優を突き動かしたかのようだった。ゆっくりと茉優は腰を沈めていく。茉優のその部分は何時の間にかたっぷりと潤んでいる。ズブッと音が聞こえたような気がした。
(ああ、いいっ・・・。)
自分の中心を貫く熱い肉棒の感覚に酔いしれようとしていた瞬間に眠っていた筈の樫山の両手が動いて茉優の裸の両腿をしっかりと抑える。
(えっ、起きているの?)
そう思ってすぐに樫山から身を剥そうとしたが、樫山の両手ががっしり茉優の太腿を掴んで放さない。
「樫山・・・さん。起きてらっしゃる・・・の?」
やっとの事で茉優は声を押し殺して囁くようにそう訊ねる。樫山の片目が開いて、静かにウィンクをしてみせる。
「ああ、いじわるっ・・・。」
茉優は力を抜いて、再び自分の身体を深く沈める。熱い肉棒が茉優の身体の奥底を深く貫いていく。
「ああ、いいっ・・・。」
茉優は自分が夜勤の病棟を廻る看護師であることを忘れかけていた。
「ねえ、もしかして最初の夜の時から起きてたんじゃ・・・?」
「ごめん。オナニーしてるのばれないかと思って寝たふりしてた。」
「ああ、いやっ。いけないひと。」
茉優は恥ずかしさに顔を赤らめる。
「あっ、いけない。もう行かなくちゃ。」
「待って。君、何か脅されて困ってるんじゃない?」
「え、どうして・・・?」
「何でも相談してくれない。きっと力になれると思うから。」
「駄目よ。患者さんに相談出来るような事じゃないから。」
そう言うと、未練の残る樫山の身体を引き剥がすようにして起き上がった茉優だった。
「この事は、私と樫山さんの間だけの秘密よ。いい?」
樫山はベッドの上で小さく頷いたのだった。
「おう、やっと戻ってきたか。随分遅かったじゃないか。」
「耳鼻科の夜勤は担当患者の数が多いので、一回廻ってくるだけで時間がかかるのです。」
茉優は思いもかけず樫山のところに長居してしまったのを言い訳した。
「どうだ、その新しい衣装は? 明日からのお前の制服になるのだ。」
「え? 昼間も皆んなの前でこれを着ろというのですか?」
「ふふふ。そうだ。なかなか似合っているぞ。それならあの仲田って小娘にも負けないだろ。」
「そ、そんな・・・。そんなにまでして私を辱めたいのですか。なら、さっさと私を犯すなりなんなりしてください。」
「犯して欲しいのか?」
「そんな訳ないじゃないですか。私の身体が目的なのじゃなかったら、もう職場へ戻らせてください。」
「お前の身体はいまやもう目的ではない。手段のひとつにしか過ぎん。だから、それはまだ先に取っておこう。」
「手段のひとつ・・・? 私をどうしようというのです?」
「ふふふ。悪い事をしたやつには懲らしめが必要だからな。お前にはたっぷりと罰を与えることにする。覚悟するんだな。」
「罰・・・なのですか。」
「そうだ。まずはそこの床に手を突いて四つん這いになって貰おうか。」
「くっ・・・。」
池田に刃向かうことは出来ないのだと分っているが、言う通りにするのは口惜しさだけが募るのだった。
「こう・・・ですか?」
茉優は膝を突いて屈むと両肘から床に付いて四つん這いの格好になる。
「そのワンピースの裾を捲って尻を出せ。」
「・・・。」
茉優は唇を噛みしめてその屈辱に耐える。下着を着けてない裸の尻たぶが池田の目の前に露わにされる。池田は用意しておいた趣味の卓球用のラケットをテーブルから取り上げると得意のシェイクハンドの形で構えて振り上げた。
パシーン。
鋭い炸裂音が部屋の中に響くと、真っ白な肌の茉優の尻たぶがみるみる真っ赤に腫れあがっていく。
「あううっ・・・。」
茉優は目頭に涙が溜まるのを感じた。
パシーン。
「い、痛いっ・・・。」
「どうだっ。罪の重さを思い知ったか。」
「ゆ、赦してくださいっ。」
「じゃ、立てっ。そこに立つんだ。」
池田はあまり何度も大きな音を立てると病棟じゅうに響き渡ってしまうと思い、ラケットを置く。
「脚を広げて立て。そしたら、こいつをあそこに挿入するのだ。」
池田が指差すテーブルの上にはピンク色をした奇妙な卵型の物体が置かれていた。細いコードが電池ホルダーのようなものに繋がっている。茉優は一度だけそれを同僚の看護師に見せて貰ったことがあって、何なのか、そしてあそこが何処を意味するのかは知っていた。
「こ、これを・・・、入れるの・・・ですか?」
茉優には抗えない自分を呪う他なかった。それをおそるおそる取り上げると自分の股間に当てる。
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