妄想小説
走る女 第一部
四十一
トオルは縛られて何も出来ない莉緒の上に覆い被さるようにして身体を密着させ、唇を奪うと莉緒のつるつるの陰唇を手で探り当てると二本の指をペニスの代りに挿入する。
「あ、いやっ・・・。ああ、そこ、感じるっ・・・。」
「ふふふ。ここはGスポットっていう特別な場所なんだ。ここを刺激されると、堪らなくなる筈なんだぜ。」
微かにくの字に曲げられたトオルの二本の指がクリトリスの裏側あたりをまさぐり始める。
「ああ、駄目っ。そこ・・・、ああ、おかしくなりそう。」
あまりの刺激に莉緒は慌てて身体をばたつかせようとする。しかしトオルがもう片方の腕で縛られて身動き出来ない莉緒の身体をしっかり抑え込んでいるので、逃れることは出来ない。
「あーっ、駄目ーぇっ。そんなにしたら我慢出来ない。ああ、出ちゃう。洩らしちゃいそう。ああ、駄目だってばあ。ああ、いくぅ。いっちゃう・・・。」
莉緒にはジュッっという音がしたような気がした。と同時に自分の下半身から何かが迸り出るのを感じた。
トオルが勝ち誇ったように、莉緒の陰唇から抜き出した二本の指を莉緒の頬に当てる。それはしっとりと濡れそぼっていたのだった。
「先輩、ちょっと、ちょっと・・・。」
トオルは会社の廊下で同僚の石田に呼び止められる。石田は一年後輩だが、スマホの動画再生などITのことに関しては異様に詳しい。
「この間、見せて貰った動画を送ってきた投稿者なんですけど。実は私のところにも送ってきたんです。」
「ああ、この間の怪し気ないかがわしい動画だろ。ああいうのは危険だから迂闊に開かないほうがいいぞ。」
「ああ、大丈夫です。それなりにウィルス対策は万全にしてますから。それより今度のはフェラチオをせがむ若妻っていうんです。ね、凄いでしょ。」
「フェラチオぐらい別に大したもんじゃないよ、今時。」
(それより、こっちはもっと凄い潮吹きを自分の妻にやらせてんだぜ)
そう自慢したいトオルだったが、さすがにそんなことは打ち明けられない。しかし同僚で後輩の石田が見ていた動画は実は自分の妻の姿だったとは気づきもしない。
「今度、一度見てみてくださいよ。」
「ああ、今度な。でも、フェラチオをせがむ若妻なんてありきたりのより、もっと凄いのが来たらな。」
そう軽く受け流すトオルなのだった。
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