後背位責め

妄想小説


走る女 第一部



 二十八

 「ねえ、こんなもの録ってどうしようっていうの。」
 莉緒は男から前夜夫との間で演じたプレイをスマホを通じて録画された動画を見せられていた。莉緒自身観たくはなかったのだが、どんな映像を握られてしまったのか、確かめておく必要はあったのだ。
 「お前の旦那は確か放送局のアシスタントディレクターって言ってたよな。こんな映像が出回ったら放送局の人間としたら評判になるだろうな。」
 「な、何いってるの。映像が出回るですって。駄目よ、絶対。こんなもの、世間に見せられる訳ないじゃないの。お願い、この映像は消してっ。」
 「そうは行くか。大事な証拠品だからな。こういうの、お前の局が駄目でも他の局なら高く買うだろうな。」
 「やめて、そんな事。そんな事になったら私の夫も局に居られなくなるし、私だって世間を歩けないわ。」
 「そうだろうな。だったら何でも俺の言うことは聞く事だな。」
 「わかりました。何でも言い付けどおりしますから、絶対この映像は流さないと約束して下さい。」
 「何でも言い付けどおりしますと言ったな。だったら次の調教だ。」
 「え、まだ何かするんですか?」
 「ふふふ。いいからこの間と同じように外の男子トイレの個室で待ってろ。」
 「え、フェラチオだったらここで今すぐします。あんな男子トイレになんか行かなくても・・・。」
 「口応えするつもりか?」
 「あ、いえ・・・。わ、わかりました。言い付けどおりにします。」
 莉緒は首を項垂れて外のトイレに向かうのだった。

 グランドの周りでは色んな人がジョギングをしたり犬の散歩をしている。入れ替わり立ち代わりでやって来るので、人が居なくなるタイミングを計らないと男子トイレに女の莉緒が飛び込むことは出来ない。それに入ってみたら誰か居たでは困るので、暫くは誰も出入りしていないことを確かめておかねば迂闊には忍び込めないのだった。
 (今だわ。)
 やっと人の往来が途切れたところで、莉緒は意を決して男子トイレに飛び込む。すぐに個室に飛び込んで一旦は扉を中からロックする。後から男はすぐにやって来た。
 「俺だ。」
 聞き覚えのある声に莉緒は扉のロックを外さざるを得ない。
 莉緒が扉のロックを外すや、すぐに男は個室の中に入ってくる。
 「むこうを向いて両手を後ろに出せ。」
 莉緒は言う事を聞かざるを得ない。トイレの壁に向かって両手を後ろに出すや、手首に手錠が掛けられる。しかしそれに文句を言うことは許されない。続いて後ろから頭を通してアイマスクが被された。視界を奪われ、両手の自由も奪われてしまうと、(もう好きにして)と思わざるを得ない。男の手が腰骨の辺りに掛かる。
 (脱がされるのだわ。)
 莉緒は覚悟を決める。ショーツとランニングパンツが一緒に膝まで下ろされている。もう何度もこの格好にさせられている。
 (今度はどうやって辱めを受けさせられるのだろう。)
 そう思っているうちに、今度は上着のランニングシャツがたくし上げられていく。目には見えないがもうスポーツブラが丸出しになっている筈だった。
 突然、腰の周りに冷たい感触が走る。
 (何? 何か巻かれている・・・。)
 奇妙な感触と共に、金属が擦り合うようなガチャガチャという音も聞こえる。ぐっと腰の周りが締め付けられる。と思っていると、今度は股の間に何かが通されたようで、それが引き上げられて剥き出しの股間を何かがぎゅっと締め付けてくる。最後にカチンという金属音が響いた。

莉緒

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