妄想小説
美教師を奈落に貶める罠
三十四
その日の放課後も、薫は屋上に呼びつけられる。最早、薫には恭平と権藤の言い付けには全て従わざるを得ない状況にまで追い詰められていた。屋上にあがるなり、薫は隅の方に設置されている嘗ては煙突だった鉄柱に両手を後ろ手に手錠で繋がれる。もう今更どう抗っても何も出来ないのだと悟り切った薫は恭平にされるがままになっている。
「今日も私からスカートを奪って、夜まで逃げられないようにしようって言うの?」
「そうされたいって事かな?」
「そんな訳ないでしょ。でも、もう貴方には服従するしかないのだって分かったから抵抗はしないわ。したいようにすればっ。」
「ほう。潔い開き直りだな。やっと自分の立場が分かってきたようだ。」
「もう何でも貴方のいいなりになるから教えて欲しいの。あの私が万引きをさせられた店の権藤っていう男は貴方と関係があるんでしょ?」
「やっとそれに気づいたって訳だ。もちろん、そうさ。奴は俺にとっては只のパシリでしかないのさ。アイツは策略ってものが考えられない質だから、すべてシナリオは俺が考えて俺のシナリオ通りに行動してるだけさ。」
「それじゃ、万引きの取調べだとか言って私を裸にしてビデオを撮ったりしたのも皆んな貴方のシナリオだったのね。あの人にどんなビデオを撮られたのかも皆んな知っているのね。」
「知ってるも何も、俺がそういう風に指示して撮らせたんだからな。」
「やっぱり私を陥れる罠だったのね。あの美鈴さんにも演技までさせて、私が万引きをするしかないと思い込ませたのね。」
「今頃気づいたってもう遅いんだけどね。もう先生は俺のいうなりになるしかない奴隷の立場なんだから。あんなビデオがあったら先生が何を言ったって、誰も信じないよ。だって先生がちゃんと万引きするシーンが撮られていて、その事を黙っていて欲しいからって万引き取調べ役に自分からフェラチオしますって申し出るシーンまでビデオにあるんだからね。」
「ああ、やっぱりそうだったのね。私が愚かだったんだわ。もうこれからは私は貴方やあの権藤っていう男の言うなりになるしかないのね。」
「それだけじゃなくて、これからは仕事をして貰うからね。」
「仕事・・・? まだ私に何かさせるつもりなのね。」
「奴隷は征服者の為に働くのが仕事だからね。」
「何をさせようと言うの?」
「明日は学校が休みだからね。明日、先生には休日出勤して貰うよ。そしてこの屋上に来て待ってるんだ。屋上の鍵は預からせて貰うからね。鍵は開けておくから僕が来るまで待ってるんだぜ。」
恭平は屋上に来て何をさせようというのかは言わなかった。それだけに薫に不安を募らせるのだった。
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