妄想小説
美教師を奈落に貶める罠
二十五
「せ、先生っ。どうしたんですか、その格好?」
「いやっ、あんまり見ないでっ。あ、あのね・・・。スカートに珈琲溢しちゃって・・・。それで替えの服がテニスウェアしかなかったの。ちょっと刺激的過ぎるかしら?」
「いやあ、先生。似合ってるよ。いつものスカートより全然いいっ。」
「みんな、わたしの足に注目しないで授業の方に集中してっ。」
しかし騒然となった教室内はなかなか静まらない。
「先生。その短いスカートの下はアンスコなの?」
「え、どんなアンスコ穿いてんの。フリフリのやつ? それとも黒パン?」
「うっ・・・。そ、それは・・・。」
ノーパンなのを悟られたくなくて思わず言葉に詰まってしまった薫は余計に怪しまれることになってしまう。
「もしかして・・・。その下、パンツ穿いてないんじゃないの?」
「えっ、な、なに言うの・・・。そんな訳、ないじゃないのっ。」
「何、先生。そんなに慌ててんのさ。ちょっとそこでしゃがんで見せてよ。」
「ううっ・・・。ちょっと、みんな。テニスウェアぐらいでそんなにはしゃがないでっ。みんな、スカートの中のことは忘れて教科書開いてっ。授業、始めるわよ。一條君。39頁から朗読してっ。」
薫は強制的に生徒等を次々に当てて朗読をさせていくことで何とか騒ぎを抑え込むのに成功したのだった。しかし、そんな中で最後列に座る恭平は独り冷静だった。なるべく恭平とは視線を合わさないように気をつけていた薫だったが、つい様子が気になって見てしまった時に恭平が無言で指合図で近くに来るように命じていたのだった。
(変に無視したり逆らったりすると、何されるか分からないわ。)
そう心配になった薫は皆の朗読を聴きながら生徒等の様子を確認する風を装ってゆっくり恭平の方に列の間を歩いて行く。恭平の机の傍に来ると、机の上にキャップを嵌められた鉛筆が数本置いてあるのが見える。
(どうして、こんなに鉛筆キャップばかり置いているのかしら?)
薫は何をされるか分からないので、取り敢えず他の全員から死角になる最後列の更に後ろに回り込む。しかし全員が前を向いているなか、一人恭平だけが薫のほうを向いていた。その恭平が指の仕草で後ろを向くように合図する。
おそるおそる恭平に背を向けた薫はスコートの端を掴まれたのを感じ、一歩恭平の方へ後ずさりする。その瞬間に薫は尻に異変を感じる。キャップの付いた鉛筆を尻の間に挿し込まれたのだった。思わず声を挙げそうになるのを手で口を押えて何とか堪える。
(お願いっ。やめてっ・・・。)
顔だけ振り向いて恭平に表情で訴えるが、恭平はまったく意に介した様子はなかった。充分奥深くまでキャップを被せた鉛筆を薫の菊の座に差し込むと、キャップだけ残して鉛筆を引き抜いたのだった。
「ううっ・・・。」
少しだけ呻き声が洩れてしまったが、他の生徒たちは気づいた様子は無かった。
恭平が顎で前へ戻るように合図するので、尻の穴に差し込まれたものを落とさないように慎重に歩を進めていく。
授業の終わりを告げるチャイムが鳴るまで、尻に挿し込まれたものを落とさないように括約筋を締め続けた薫は一時も生きた心地がしなかった。
(お、終わったわ・・・。)
「じゃ、授業を終わります。」
そう告げると教室を出る為に教壇を一歩降りたその瞬間だった。コトンと音がして尻の穴から鉛筆キャップが抜けてしまったのだ。最前列の男子生徒の一人がそれに気づいてしまう。
「あれっ。なんだ、これっ。」
男子生徒が拾い上げようとするのを、いち早くしゃがみ込んで一瞬だけ早く拾い上げた薫だったが、スカートの裾のほうがおろそかになっているのに気づかなかった。
「なあ、なんか一瞬だけど先生のスカートの中が覗いた気がしたんだけど・・・。」
「あ、俺も一瞬見えた気がした。だけど、何も穿いてないみたいな気が・・・。」
「お前もそう見えたのか。自信はないけど、白いものが見えると思ってたのに・・・。まさか本当にノーパンだったんだろうか?」
最前列に居た生徒達が口々に囁いているのを聞こえない振りをして教室を後にした薫だった。
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