妄想小説
美人アナ なな実が受ける罰
四十二
「お連れ様がいらっしゃいました。」
仲居の声に、藤森はニヤリと相好を崩す。
「なな実が来たようです。」
前回と同じく上り框で三つ指を突いて深くお辞儀をするなな実を、早々に局長の横に侍らせる。
「な、藤森君。今回は私に縛らせてくれないか。あれから色々研究したんだよ。女の縛り方をね。」
「は、そうですか。勉強熱心で結構な事です。さ、なな実。局長の方に両手を廻して差し上げるんだ。局長、さ、この縄をどうぞ。」
「むふふふ。興奮してきたぞ。」
藤森は縛られているなな実の前に回り込むと顎に手をあてて俯かせる。
「局長様にたっぷり可愛がって貰うんだぜ。いいな、なな実。」
「藤森さん。貴方は酷い人です。私を人身御供にして貴方は局長に昇進の事を頼んでいるんですね。」
「何を言ってるんだ、なな実。そんな事、お前に関係ないだろ。だいいち、どっからそんな事?」
「いつまでも貴方の思い通りにはなりませんよ。」
突然なな実が両手を横に大きく広げると、なな実の両手の自由を奪っていた筈の縄がはらりとなな実の身体から外れ落ちる。
「え?」
目を白黒させる藤森に、なな実は手に隠し持っていたものを翳す。
ビリビリビリビリッ。
青白い閃光が走ったかと思うと、藤森がもんどりうって後ろにひっくり返る。なな実が手にしていたのはスタンガンだった。
「縄の扱い方はとくに、さっと引っ張れば解ける引き解け結びってやつだったんだ。悪く思うなよ、藤森君。さ、なな実君。さっさとこいつを縛ってしまえ。」
そう言うと、局長はなな実の後ろに落ちていた縄を拾い上げるとなな実に手渡すのだった。
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