炎上記事

妄想小説

美人アナ なな実が受ける罰


 二十一

 藤森の予感は現実となって翌日のネットニュースの芸能コーナーのヘッドラインを飾った。「人気アナ、真中なな実が遂にパンチラ放送事故!」 丁寧になな実が両手を膝から挙げて今にもさよならのポーズを取ろうとしている瞬間の映像が切り取られていた。無防備になった両膝の間のデルタゾーンには純白のパンティがくっきりと映ってしまっていたのだ。同じ記事が写真週刊誌のグラビアを大々的に飾るであろうことは容易に想像がつくのだった。

 なな実が前日の報道番組の中でパンチラを晒したらしいという噂はあっと言う間に広がった。そしてその噂の担い手はネット上の投稿記事を主に扱う例のネットニュースだった。それは勿論アナウンサ室も例外ではなかった。
 なな実が毅然とした面持ちでアナウンサ室に入った時、一瞬室内全体が凍りついたような雰囲気になった。しかし、その沈黙を破ったのはディレクターの藤森だった。
 「おお、なな実ちゃ~ん。ニュース・ワイド、評判になってるらしいよ。局長が数字、期待してるからって妙にご機嫌だったらしいよ。今日も頑張って行こう。な、みんな?」
 その一言がきっかけになってアナウンサ室もいつものワイワイ、ガヤガヤの雰囲気に戻った。ただ一人、アナウンサ室の隅っこで冷ややかな視線をなな実に向けて憮然としている者がいた。最年少新人アナの中浦静香だった。

静香蔑視

 ちらっとだけなな実が通り過ぎざまに見た静香の目はなな実にぐさっと突き刺さるものがあった。
 (迂闊にパンツ、覗かせないようにね。あ、それが目的? でも女子アナがパンチラで人気をあげようっていうのは下品で逆効果よ・・・。それって、貴方の事でしょ。)
 静香の目はあたかもそう言っているかのようになな実には見えたのだった。

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る