上向かせ

妄想小説

美人アナ なな実が受ける罰


 三

 「うっ・・・。」
 なんとかその物差しから逃れようと首を振ろうとするが手首に食い込んでいる手錠が何かで固定されているらしく、顔を動かす事も叶わない。
 やがて顎に当てられていた物差しの先の力が少し緩められたかと思うと、その先が這うようになな実の首筋をゆっくり降りて行く。
 なな実はごくりと生唾を呑み込む。鎖骨の辺りで一旦止められた物差しはそれからゆっくりとなな実の服の上で胸の谷間を割るように降りて行く。臍の上辺りまで降りてきたところで再び物差しは動きを止める。
 なな実はその先の動きを予感して、身を硬くする。もう一度身を捩って何とか逃れようとするが手足をがっしりと繋ぎとめられているのでどうにもならない。やがて再び物差しが動き始める。まっすぐ下に降りていくかに思われたそれは、突然横方向にずれていって、なな実の右の腰骨の上辺りにやってきた。それから今度は角度を落として、なな実の横腹を擦るようにしながら腿の方へ降りて行く。
 なな実には男の意図が判らないだけに、不安ばかりが先を過り焦燥感を募らせていく。
 やがて物差しの先は膝関節を過ぎてなな実のワンピースの裾の端を捉えたようだった。と、そこで突然、物差しの先は外側から内股の間へと位置を換える。再びなな実の喉奥がごくんと鳴る。
 それを見越したかのように物差しの先はなな実のワンピースの裾を手繰り上げながら内股を滑りあがってくる。
 「あ、嫌っ。」
 なな実はスカートの裾が捲り上げられていくのに気づいて思わず声を上げる。しかし、男の手にした物差しの先はなな実の狼狽を愉しむかのように、じわり、じわりと裾をたくし上げていく。
 股間の直前まで来たところで、再び物差しの先はなな実の腰骨の上辺りを目掛けて昇っていく。下着までは露わにされないながらも片方の太腿をかなり上まで露出させられてしまっていた。その剥き出しにされた白い腿は、抵抗出来ない女の象徴であるかのように淫らさを強調させてしまっていた。その抵抗出来ない剥き出しの太腿を弄ぶかのように物差しの先が裸の肌の上をなぞりまわる。
 「あ、駄目っ。やめてぇ・・・。」
 なな実は思わず声が上ずってしまうのを抑えられない。下半身を蹂躙されているのに何も抵抗出来ないもどかしさになな実は悶えながらも、身体が反応してしまうのを敏感に感じ取っていた。
 「ふふふっ・・・。」
 なな実は男が仮面の下で嘲笑うように笑みを洩らしたのを聞いたような気がした。すると突然男はなな実の前から立ち上がって踵を返してやってきた扉のほうへ向かってゆく。
 「待って。置いてゆかないで。私をどうするつもりなの・・・。」
 必死で叫ぶなな実を尻目に男は黙ってドアの向こうへ消えてしまったのだった。

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