妄想小説
美人アナ なな実が受ける罰
三十四
なな実の両手首は背中でしっかり括り付けられて自由を奪われていた。さきほど口の中に放出されたモノは吐き出そうとする前に藤森の手で口を蔽われて、最後の一滴まで嚥下させられたのだった。口の中がまだ粘っこくて気持ちが悪かった。
「あのMプロデューサに逢いに行った時なのね、私を拉致、監禁したのは。」
「そうさ、お前はなかなか誘いに乗らなかったからな。それでもMプロデューサの名前を出して新しい番組のキャストを捜しているって嘘を吐いたら簡単に乗っかってきたからな。」
「嘘だったのね、あれは・・・。」
「お前がトイレに化粧を直しにいくのは計算済みだったのさ。エレベータに近いトイレの出入り口の陰に隠れてお前が出てきたところで麻酔を嗅がせてそのまま地下の駐車場に停めておいた俺の車に押し込んだのさ。後は誰も来ない山奥の貸別荘にお前を連れ込んでお前のあられもない格好をビデオに収めたって訳だ。」
「何だってそんな事を・・・?」
「リベンジだよ。よく言うだろ、世間で。まさにポルノ・リベンジってやつさ。リベンジは復讐って意味なんだぜ、知ってるか。」
「そんな事、知ってるわよ。何だって、私が貴方に復讐されなければならないの?」
「憶えちゃいないだろうが、俺は嘗てみんなの前で大恥を掻かされたからな、お前に。」
「大恥ですって?」
「俺が舞い上がって、お前にプロポーズをした時の事だよ。」
「ああ、あれはだって、貴方が勝手に勘違いしたんじゃないの。」
「勘違いさせるようなことをお前がしたんだよ。そうやって何人も男を手玉に取ってきたんだ。その復讐をまとめて俺がしてやろうっていう訳だ。」
「そ、そんな・・・。」
「みんなの前で惨めな思いをするってのは、どんな気持ちか、たっぷりと味わうんだな。」
「こんな事して・・・。私、訴えるわよ、あなたの事。」
「ああ、訴えられるもんなら訴えてみな。俺はこのままじゃ、平のディレクター止まりさ。この先、出世も見込みないからな。いつ辞めさせられたっていいんだぜ、俺は。お前は、どうだ。この先トップアナウンサになれるかもしれないのを、こんな事で躓いて棒に振るのかい?」
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