妄想小説
美人アナ まなみが受ける罰
十九
番組15分前にアナウンサ控室のまなみの元へ一通の手紙が届けられる。
(来たわ・・・。)
まなみが想像した通り、ミニワンピースの送り手は、自分をすっぽかした敏腕プロデューサのMではなく、自分を拉致・監禁して恥ずかしい動画を撮影した狼男に違いなかった。そして今来た手紙はその男からの指示の筈だった。
最早、トイレに駆け込んでも仕方ないと開き直ったまなみは、アナウンサ控室のドレッサーの前で隣に誰も居ないのを確認してから封を切る。
<オクッタミニワンピースヲキテシュツエンスルコト。バングミノサイゴニ、ヒザカラリョウテヲモチアゲテリョウテデバイバイノアイズヲスルコト。>
その文章が意味していることはすぐに分かった。こんな短い衣装で番組中出ていれば、男性視聴者の目は否が応でもまなみの膝と膝の間に集中するのは目に見えている。その上で番組終了の間際に両膝の前に置いて奥を隠している筈の両手を浮かせろというのだ。ワンピースの裾はすこしタイト目に出来ているので、座るとかなり裾はずり上がりそうだった。
まなみはその瞬間にカメラがこちらを抜いているとは限らないと思った。いや、そうでないことを祈るしかなかったのだ。
「はい、まなみさ~ん。本番スタンバイ、お願いしまあすぅ。」
若いADから声が掛かり、まなみは本番が始まるスタジオに急ぐ。
「お、まなみ。急げよ。」
「あ、藤森君。あれっ、何?」
「あ、酒井の奴、腹壊したっていうんで、急遽代行よ。変なモンでも食べたんじゃないか、アイツ?」
「じゃ、宜しくね。」
何も思わずそのままスタジオ入りするまなみを見送った藤森はインカムを頭に付けるとディレクタールームへ向かうのだった。
『じゃ、本番入りま~すぅ。3、2、1、キュー。』
「こんにちは、午後のワイドニュースのお時間です。今日も私、羽嶋慎一と佐々木京子、そしてアシスタントの真中まなみでお送りしてまいります。さて、まず最初のニュースはこちらです。」
本番が始まり、まなみは脇のアシスタントのスタンバイ位置の椅子で出番を待つ。
(やっぱり椅子に座ると、かなり裾がずり上がってしまうわ。膝の上に手を置いて気をつけなくっちゃ。)
そう思いながらも番組終りに指示、というより命令されている事を考えると気が気でない。カメラが自分の方に向かなければいいのだがとそればかりを祈らざるを得ない。しかし、気のせいか、その日に限ってまなみの出番でもないのに、自分の方に向けられたカメラが何度も抜きに入るのに気づいていた。それがまなみが着てきた超が付くほどの短いワンピースのせいらしい事は痛いほど判っていた。
「じゃ、ここからまなみちゃんのお天気のコーナーです。まなみちゃーん、お願いしまーすぅ。」
「はーい。ここからは真中まなみがおつたえしまーす。」
まなみは自分の席になっているソファから膝の手を外さないように気を付けながら降りると、天気予報が掲示されたボードの方に向かうのだった。
「それでは今日も最後までご覧くださって、ありがとうございます。また明日もこの時間に。」
メインのMCの羽嶋が挨拶を始める。
(エンディングだわ。)
まなみはさっと今オンエアになっているカメラをチェックする。メインMCと佐々木アナをアップにしているカメラに赤い灯が点っている。
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