妄想小説
美人アナ なな実が受ける罰
二十二
「え、これっ?」
アナウンサ控室入りしたなな実には、スタイリストの安東マツから手渡された衣装を見て思わず声を上げてしまった。超スリムなボディコンのスーツで、スカート丈が怖ろしいほど短い。
「色はこの白と、グレーのツートンの二種類。どっちか選んで。」
「また、誰か送ってきたの?」
「いや、ディレクターの藤森君の指示。というか、局長から直々に指示があったみたいよ。昨日よりもっと攻めた衣装にしろって。ネットの反響から、今日の番組の出来次第では数字が跳ね上がるぞって息巻いているみたい。頑張ってね。」
「え、でもこれってちょっと短すぎない?」
「あ~ら、なな実ちゃんなら難なく着こなせるわよ。世の殿方を悩殺させちゃうんでしょ。私も数字が楽しみっ。」
安東マツは他人事のようにあっけらかんとしている。
「ねえ、藤森君。今日も君がニュース・ワイドのディレクター担当するの?」
「あ、いや。酒井が治ってきたから代行は今日は無しだ。俺もいつかニュース・ワイド、レギュラーで担当したいんだけどね。」
「局長が何か言ったって、本当?」
「お、さすが耳が早いね。なんかさ、昨日の放送がネットで評判になってるって聞きつけてさ。裏番組の他局のワイドなニュースショーにずっと数字取られちゃってるだろ。どうしても挽回したいんだってさ。それで気合い入ってて。」
「それで、このミニワンピなの?」
「まあ、いいじゃないかい。上層部の言う事は聞いといたほうが後々いい事に繋がるんだからさ。」
「で、でもぅ・・・。」
なな実は結局、もう片方の濃いグレイのミニスカートのほうを選ぶことにした。黒のアンスコを穿けば万が一覗いたとしても目立たないと判断したのだ。
『じゃ、次。なな実ちゃんのお天気コーナー行きま~すぅ。なな実ちゃん、スタンバイ。』
ディレクターの酒井の声に握りしめた指し棒に力を篭める。
「はーい。なな実のお天気コーナーでえすぅ。さ、こちらの天気図からご覧ください。」
いつもの席から立ち上がる際には気を付けて膝に手を置いたままで、ずり上がっているタイトなミニの裾から覗いてしまうデルタゾーンを抑えておく。しかし、天気図パネルの横に立った超ミニのなな実の姿はかなり刺激的なものの筈だった。
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