妄想小説
モデルになった美人ホステス
九
「美沙子さん。こんな事を訊くのはいささか不躾で失礼に当たるかもしれないのだが・・・。」
美沙子を緊縛姿にして筆を進めていた劉邦が一旦筆を置くとおもむろに切り出した。世話係の信代から聞いたらしく、源氏名の純子で呼ぶより本名の美沙子の方がいいと言うので専らこの所、劉邦は源氏名ではなく本名で美沙子と呼びかけるようになっていた。
「君はもしかして、まだ男を知らない・・・、ああ、つまり処女なのではと思ったのだが。あ、いや。失礼に当たるのだとしたら、忘れてくれていい。」
「あの、それは・・・。つまり、私の表情の問題なのでしょうか。」
「うん、そうだ。君の初々しい恥じらいを持った、縛られてこれから何をされるのか不安な気持ちをそこはかとなく滲ませている表情はそれはそれでとても魅力に溢れているのだが・・・。」
「それだけでは足りないのですね。」
「足りないというのではなくて、もう少し女性の・・・、ううむ。何と言ったらいいかな・・・。もう少し女の妖艶な表情も描いてみたくなったのだよ。済まぬ。赦してくれっ。」
「先生っ。私・・・。仰る通り、男の人を知りません。ですから、性を渇望する表情をとか言われてもどんな感じなのかまったく分からないのです。・・・。先生っ。もし出来ることでしたら、一度私を抱いてみてくれませんか?」
「え? 君を抱くだと・・・。し、しかし・・・。こんな老いぼれの私が君のような初々しい女性の処女を奪うなどとは・・・。」
「先生の芸術の為でしたら是非にも私のこの身体をお捧げしたいです。と言うか・・・。私も女の歓びというものを知ってみたいのです。先生。このまま・・・。私を縛ったまま、私の処女を奪って頂けないでしょうか?」
美沙子の突然の提案に劉邦は戸惑っている様子だった。しかしすぐに己の制作意欲に従う方の選択を選ぶのだった。
「いいのだな、美沙子?」
「は、はいっ。お願いします、先生っ。」
裾を絡げられた美沙子の着物の裾からは白く長い脚が伸びている。その付根には既に下穿きは着けられていない。クラブ・カルネのママに教えられた通り、和服を纏う際には下穿きは着けてはならないのだという教えを忠実に守っていた美沙子だった。劉邦の両手が美沙子の膝の裏側に当てられ大きく両脚が割り開かれる。陰唇の入り口に押し当てられた硬い肉棒の先を感じて、美沙子は処女を貫き裂かれるのを覚悟する。
「ああ、入れてっ・・・。」
しかし、その美沙子の切なる願いは叶えられなかったのだった。
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