妄想小説
モデルになった美人ホステス
三十一
「いやっ。何するつもり?大声を挙げるわよ。」
「ふん。こんな大きな屋敷だ。門までだってかなり距離があるからな。多少の悲鳴じゃ外には聞こえやしねえよ。さ、こっち見るんだ。もうこんなになってるんだぜ。」
睦男はおろしたチャックの中から既に屹立しているペニスを取り出して美沙子に見せようとするのだったが、美沙子は俯いてそれを見ようともしない。
「い、いやよっ。貴方なんかとしたりはしないわ。」
「へっへっへっ。俺は嫌がる女とするのはきらいじゃないのでね。アンタもすぐに気持ちよくなって離れられなくなるのさ。」
睦男は美沙子に近づいていって、怒張したペニスを美沙子の胸元に押し付けようとするその時だった。
「そこまでにしな。もう充分な犯罪だぜ。」
声がした方を睦男が振り返ると、そこにはスマホを翳して動画を撮っている男の姿があった。
「おめえ、何者だ。何時の間に・・・。」
「ま、この家の用心棒ってとこかな。住居不法侵入、暴行傷害、拉致略取、強制猥褻、強姦未遂、恐喝・・・。充分な重罪だな。しっかり証拠のビデオも撮らせて貰ったからな。」
「お、お前・・・。どうするつもりだ?」
「勿論警察にすぐさま通報するつもりだよ。ぐずぐずしてると警察はすぐにやって来るぞ。」
「うっ・・・。おーい、お袋っ。まずいぞ。すぐにずらかろう。」
睦男は脱ぎ捨てたシャツを拾いあげると奥にいる義母の倫子に声を挙げながら玄関に向かって走っていく。
「何なの? 何が起こったっていうの?」
奥の部屋から出てきた倫子もスマホを自分に翳して動画を撮り続けている男の姿を見て状況をすぐに察した。
「畜生。舐めた真似しやがって。今日は引き下がってやるけどこのままじゃ済まさないわよ。」
捨て台詞と共に倫子も玄関に向けて逃げて行くのだった。
「ありがとうございます。助かりました、鮫津さん。」
鮫津に縄を解いて貰いながら、美沙子は丁重にお礼する。
「危ないところだったな。あ、それともお邪魔だったかな?」
「お邪魔だなんて・・・。もう少しで犯されてしまうところでした。鮫津さんのおかげで助かりました。でも、どうして・・・。」
「ははは。そろそろ危ない頃じゃないかという虫の報せでね。というのは半分冗談なんだが、実はカルネのママに頼まれた用もあってね。カルネに飾る絵を物色に来たんだよ。先生が遺した絵の所蔵庫の鍵、持っているよね?」
「は? 所蔵庫・・・? わかりません。まだ家の中、全部は観てないんです。信代さんから鍵束は預かりましたので、多分その中にあると思うんですが・・・。もし宜しければ鍵をお渡ししますので屋敷内を探して貰って構いません。」
美沙子は鮫津なら信用出来る気がしたのだった。美沙子の身体が狙いで近づいてきたのなら睦男と倫子を退散させた後、自由を奪われた美沙子をどうにでも出来た筈だからだ。思い返してみると、縛られた状態の美沙子の前に鮫津が現れたのは三度目だった。二度目の時は鮫津本人に縛られたのだが、陰唇を愛撫されるまでで犯されはしなかったのだった。
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