妄想小説
超力戦隊 オーレンジャー 樹里を貶める奸計
六
「ふふふ。オーイエロー。いや、二条樹里っ。そこまでだ。」
突然背後からデッダー隊長の声がして振り向く樹里だったが、現れたデッダー隊長の更に背後には、電子ホログラムで空中に映し出された桃の姿があった。
その桃の姿には、喉元に押し当てられた鋭い刃が今にも桃の頸動脈を掻き切ろうとしているのが伺えた。
「桃っ。桃じゃないの・・・。」
「ああ、樹里っ。た、助けて・・・。」
「さあ、オーイエロー。いや、二条樹里。状況は分かったようだな。丸尾桃を助けたければ、これ以上の反撃はもうお前には許されていないのだ。」
「な、何ですって・・・。ひ、卑怯よ、デッダーっ。」
「お前が置かれている状況がわかったのなら、おとなしく腕に嵌めているパワーブレスを外して地面におくのだ。」
デッダー隊長が言っているパワーブレスを奪われてしまったら、仲間のオーレンジャー達に援軍を要請することも、パワースーツに変身することも出来なくなってしまうのだった。パワースーツに変身しない生身の身体では幾ら武道で普段から鍛えているといっても、パラノイアの兵士一人に対等に戦えるのが精いっぱいで、パワースーツから得られるその数十倍のパワーを引き出せなくなってしまうのだった。しかし桃を人質に取られている今は、デッダーの卑怯な要求を呑むしか樹里に選択肢は無いのだった。
「わ、分かったわ。デッダー。今、パワーブレスを外すから桃の首からナイフを外してっ。」

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