便所フェラ強要

妄想小説


走る女 第二部


 八十二

 「覚えているよな。市長が莉緒に言っていた言葉。仕事が欲しいのならそれなりのことをしてみろってな。お前はデータが欲しいんだろ。だったらそれなりのことをするんだ。」
 そう言うと放尿を終えたペニスをズボンから出したまま、花音の方を向き直る。
 「さ、データを貰う代りに何をするのか、自分の口で言うんだ。」
 ビデオの映像と同じようにゆっくりと蛭田は花音の方に詰め寄っていく。花音は後ずさりするがすぐに壁に突き当たってしまう。
 「わ、わたしは・・・、し、市長のデータを貰う代わりに・・・、あ、あなたの・・・。」
 次第に鎌首を擡げてくるペニスを壁際で床にぺたんと座り込んでいる花音に向けて近づけていく。
 「さあ、両手を出せ。」
 市長の権田が莉緒にしたように、花音の両手首を掴んで万歳の格好をさせると股間のモノを花音の顔面に当てようとする。
 「待ちなさい。そこまでよ。」
 突然、大きな声が男子トイレの入り口のほうから響き渡った。莉緒の声だった。
 「お前、何だ。邪魔しに来たのか? お前が邪魔をすればどうなるか、分かってるんだろうな。」
 「分ってるわよ。今まさにこのシーンをあの監視カメラで撮って、あなたのパソコンで録画しているんでしょ。でも、そのデータは夫の友人が向こうの部屋でコピーを取っているわ。確たる証拠としてね。市長のビデオや私のビデオとか写真とかと一緒にね。」
 「何だと? 何を勝手なことをしてるんだ。そんな事はゆるさんぞ。」
 隅で震えている花音の方から莉緒に向き直ると、蛭田はペニスを出したままの格好で莉緒に掴みかかろうとする。蛭田の両手が莉緒の首に掛かって締め上げようとしたその瞬間に、莉緒が隠し持っていたスタンガンが蛭田の剥き出しの男性器に当てられたのだった。
 「あぎゃああああああっ・・・。」
 蛭田は一撃で悶絶したのだった。

 蛭田のパソコンは録画中で開かれていた為、トオルの友人、石田の手で難なくバックアップがUSBメモリに取られたのだった。その上で石田はウィルスデータを蛭田のパソコンに抽入して全データを消去させる。それはあっと言う間の出来事だった。

 「蛭田さん。命があるうちにこの街から急いで逃げ出すことね。貴方が花音に働こうとした狼藉のビデオは花音ちゃんをこよなく可愛がっているあの有力者に見せることにしたわ。あの有力者には危険な連中が手下に居るから何をするか分からないわよ。命が惜しかったら何か起こる前に逃げ出すことね。あなたのパソコンのデータは全部消させて貰ったから。」
 それは莉緒が悶絶してトイレの床に倒れている蛭田の手に握らせた手紙だった。

花音

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