妄想小説
走る女 第二部
五十九
やっとブリーフとズボンを穿くことを許された市長の権田は、莉緒から撮影された自分の惨めな姿をビデオカメラのモニタで見せられた後、土下座を命じられてすっかり意気消沈していた。
「こ、こんなものをどうするつもりなのだ。」
「貴方が私に男子トイレでした狼藉の証拠ビデオの代りに蛭田に引き換えて貰うつもりよ。あんなビデオは私だって流出したら困るもの。そうしたら貴方があの時トイレでしたパワハラ、セクハラの証拠は無くなるけど、もっと困るものを蛭田が手に入れるって訳。貴方にとっちゃ、どっちでも同じでしょうけどね。」
「ああ、まだこれからもずっとあの男の言うことを聞かなくちゃならないのか・・・。」
「そりゃそうよ。あ、さっき蛭田から電話があって、明日も貴方の秘書はあっちに勤務させるんですって。だから、明日も私が代りに来るわね。明日はどんなプレイをしようかしら。何かお望みのプレイはある?」
権田はおどけて言う莉緒の言葉に項垂れて返事も出来ないでいた。
「貴方、案外Mの素質あるみたいだから。いろいろ試し甲斐があるわね。楽しみにしててね。」
そう言い放つと悠々と市長室をあとにする莉緒だった。
「そうか。やっぱりあの市長、俺が見込んだ通りマゾの気があったか。」
市庁舎から戻った莉緒はグランドの管理人室でその日の首尾を蛭田に報告していた。
「それなら調教のし甲斐があるってもんだ。お前、亀甲縛りって知ってるか?」
「キッコウ・・・縛りですか? いえ。」
「なら、この本をよく読んで勉強しとけ。明日は朝からあの市長、服の下に亀甲縛りを咬ませて一日過ごさせるんだ。そうだ。パンツも穿かせないで、代わりに紙オムツを嵌めさせておけ。トイレには行かずにそのままそれにしろって言ってな。」
「そ、そんな事、させるんですか?」
「そうだ。ついでに聖水も呑ませるんだ。」
「セイスイ? 何ですか、それって?」
「お前のオシッコの事だよ。執務室でペット用の皿にお前がオシッコを出して、そいつを舐めさせるんだよ。それもしっかりビデオに撮っておくんだぞ。」
蛭田にビデオカメラを一旦返した莉緒だったが、自分の映っている市長にフェラチオさせられた画像は渡しては貰えないのだった。代わりに次の日に使う荒縄と大人用紙オムツ、ペット用のお皿を渡されたのだった。
蛭田の方は、莉緒を帰した後、花音を更に陥れる次の策略を練るのだった。
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