妄想小説
走る女 第二部
五十五
「あううっ・・・。ゆ、赦してくれっ。」
「市長、あんまり大声は出さないほうがいいわよ。何が起こったかと職員が観に来るといけないから。」
「ううっ、わ、わかったから・・・。その手を放してくれっ。」
「さ、もう一度、土下座して。」
市長が頭を下げると莉緒はその上に足を載せて踏みつける。
「あいたたたたっ・・・。」
市長の惨めな姿を莉緒は蛭田から預かったビデオカメラでしっかり撮り続けるのだった。
一方の蛭田の方は、市長秘書の花音にトイレ掃除を言い付けておいて、その様子を防犯カメラを通して無線で送られてくるその映像で自分のパソコンでずっと眺めている。その映像は同時に録画もされているのだった。花音は何も知らずに市長の為と思って一心不乱に掃除に打ち込んでいる。股下ぎりぎりまでしかない掃除婦の作業服は腰を屈めることで下着が丸見えになっているのだが、まさか監視カメラで見られているとは思いもしないので下着が覗いているのを全く気にしていない。
(ふふふ。いい格好だ。男子トイレでパンツをちらつかせながら掃除に打ち込んでいる若い娘。このブイ(映像ビデオ)は高く売れそうだな。)
ビデオ映像は西岡莉緒のものも含めると、もう相当数溜まっていた。蛭田はどういうタイミングでそれらビデオをアダルト業者に売りつけようかと思案していた。
花音が向きを変え違うアングルでパンツ丸見えの状態になったところで、蛭田は次の仕掛けに取り掛かることにする。
次へ 先頭へ