締め上げ

妄想小説

ワンピースの女



 五

 元より貴子の股間は常にすべすべになるまで恥毛を剃りあげてある。それはその部分に毛が生え始めた幼少期からの習わしだった。キヨからは良家の女子としての当然の嗜みなのだと教えられてきたが、それが嘘であると知ったのは女学校へ入って最初に受けた身体検査の時だった。同級生たちの生え揃った股間の叢を見て、自分にだけそれが無いのを知って恥ずかしさに慌てて隠したのだった。以来、何度かその場所を剃り落すのを拒もうとしてみたが、頑として受け入れられなかったのだ。
 貴子の股間に縄が巻かれ、ひと通りキヨの力で強く締め込まれたところで縄は貴子の尻の上部分で何重かに結び目が拵えられ、その縄の両端が機械に賭けられた。
 「それでは電動ウィンチで結び目を更に締め付けますので。」
 「キヨ、そんなにきつく締めなくてはならないものなの?」
 「解けないようにする為だそうです。お相撲さんの場合は御付のお弟子さんが数人がかりで締め上げるのだそうです。」
 キヨの(お相撲さんの場合・・・)という言葉を聞いて、源蔵が何をキヨに命じたのかが貴子にも薄々分ってきた。
 電動モーターがウィーンと唸り声をあげる。股間や腰回りはそれ以上は締まってはこないようだが、背中の結び目はもはや自分では解けそうにないほどきつく締め込まれた様子だった。

貴子

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る