妄想小説
ワンピースの女
三十三
「ああ、お嬢さま。可哀想に。ずっと我慢してたんですね。」
最後の一滴が垂れ堕ちたのを見届けたらしく、キヨが何かの柔らかい布で自分の股間や太腿を拭うのを貴子はただじっとしてされるがままで居た。失禁してしまったことのショックで自分からはもう何も身動き出来ないでいたのだった。
「さ、これに穿き替えなさいませ。」
濡れそぼった汚れた下着をキヨは優しく抜き取ると、新しいショーツに穿き替えさせるのだった。
(え? 何でキヨは下着の替えなんか持っているの・・・?)
声に出そうになった言葉を貴子はぐっと堪えて呑みこんだ。貴子が自分の身の回りに起きることが、もしかすると只の偶然ではないのかもしれないと思い始めた最初の時だった。
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