女学生時代

妄想小説

ワンピースの女



 十八

 女学生の頃も、基本的には源蔵の所有するリムジンで学校まで送り迎えされていた。しかし女学生の殆どは学校の前を通る路線バスで通学している者ばかりだった。そんな路線バスに痴漢が出るらしいので注意するようにという通達が学校側から保護者に向けて書面で配られたのだった。そしてその書面が貴子の家にも持ち込まれた数日後、いつも通学に使っている源蔵の所有するリムジンが修理の為に入庫するので、その間だけ路線バスを使うようにと、キヨを通じて源蔵から伝えられたのだった。
 貴子は滅多に路線バスなど使ったことが無かったので、バスが朝夕の通勤、通学時間帯にどれほど混むものなのかも知らなかった。普段と同じように制服姿でバスに乗り込んですぐにバスはすし詰め状態となった。その時に、初めて制服の襞スカートの後ろ側に違和感を感じたのだった。
 痴漢というものを理解していなかった貴子にはただの不快な違和感としか感じていなかったのだが、貴子が何も反応しないのをいいことに、背後の男の手はどんどんエスカレートしていったのだった。貴子がおかしいと思ったのは既に男の手が貴子のスカートの中に忍び込んでいて、太腿の内側に冷たい男の指の感触を憶えた時だった。
 貴子は初めての経験に呪文にでも掛けられたかのように身動き出来なくなってしまった。男の指はそのまま太腿の内側を滑るように這い上がってきて下穿きの下端にまで達していたのだった。
 男の指の蹂躙にじっと耐えていた貴子だったが、自分が降りるべき停留所に来ていることにふと気付き、慌てて周りを振り切るように乗降口へ走り出たのだった。
 一緒に降りてきた同級生の友達から「ちょっと、貴方・・・。」とお尻の辺りを指さされ、背後に手をやった貴子は指にべっとりとした白濁したものが絡みつくようにくっついたのを観て、気を喪いそうになったのだった。

貴子

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