褌締め上げ機

妄想小説

ワンピースの女



 四

 老人の元へ出る前に着替えを始めようとするところへ召使のキヨから声が掛かったのだ。その時の様子を車の中で貴子は思い返していた。
 「旦那様から言い付かっております。着付の間へお越しください。」
 着付の間は、貴子が和服を着用する際に着替えをする一間だ。相撲へは洋装で行くよう命じられている貴子は不審に思ったが、キヨの言うがまま着付の前へ向かう。
 そこで貴子が見たものは、異様な機械だった。
 「何なのですか、これは・・・。」
 体操の平均台のような格好に組まれた鋼鉄製の枠に太い梁が渡してあり、片方の端にはフックの付いた機械が据えられている。
 「旦那様が特注なさった機械だそうです。電動ウィンチという機械を改造したものだそうです。今のキヨには充分な力が出せないだろうからとの事です。」
 (充分な力・・・?)
 キヨの謎めいた言葉に貴子は不安を感じる。更に貴子が床に目を転じると、正絹で出来ているらしい長襦袢に使うような赤い帯と、太い荒縄の束が置かれている。
 「お嬢様。ご不浄への用はお済みでしょうか?」
 「トイレならば今行ってきたばかりです。」
 貴子はキヨが時々使う古風な言い回しがあまり好きではなかった。
 「ならば下のお召し物をお取りくださいませ。」
 「下着を・・・、取れと言うの?」
 「はい。旦那さまからのお言い付けでございます。」
 「そうなの。・・・。わかったわ。」
 貴子は源蔵からの命令と聞いては従わざるを得なかった。その日は洋装と決めていたのでショーツの上に厚手のガードルを着けていたが、その両方を脚から抜き取る。
 「裾を腰の上まで持ち上げておいてくださいますか。では、失礼仕ります。」
 キヨは貴子が裾を持ち上げ、全てを脱ぎ捨てた下半身を露わにすると、そこへ縄を廻してきた。手慣れた様子で、太い荒縄を貴子の裸の腰に一巻きさせると、その端を股の下に通す。
 「あっ、・・・。」
 腹の手前で腰に回した縄に通された縄の端が股間を通したうえで尻の上で更に縄を潜らされると、いきなりぐいっと引かれたのだ。そのせいで、縄は貴子の剥き出しの股間に容赦なく食い込んでいく。

貴子

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