妄想小説
ワンピースの女
二十三
「妙なものを腰に巻いていたんだな。その下はノーパンだったようだな。」
電車の中で貴子に痴漢を仕掛けた男に違いなかった。電車を降りた後、ずっとあとをつけていたのだった。
「お前、口が利けないのか? さっきからもぐもぐ呻いているだけのようだが・・・。」
男が貴子のマスクに手を掛けようとする。慌てて貴子は激しく首を横に振ってそれを拒もうとする。しかし男はそんなことにはお構いなしだった。
「な、なんだ、これは・・・。こんなものを口に嵌めていたのか。いや、嵌めさせられていたのだな。」
装着していたマスクを男に剥ぎ取られて、ついに貴子は口の中の秘密を見られてしまった。
「うううって・・・。ふぐひへ・・・。」
(赦して・・・)というつもりが声にはならなかった。
「じゃあ、この帯を巻いていたその腰のほうも見せて貰おうか。」
そう言うと男の手が貴子のワンピースの裾を掴む。
(もう駄目っ。)
そう思った瞬間に貴子の張りつめていた緊張が解け、括約筋が緩んでしまう。生温かいものが太腿の内側を伝って流れ落ちていった。
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