妄想小説
尼僧院物語
六
「マ、マリア・・・かい?」
「貴方・・・。どうしてこんな所へ?」
「御免。扉が薄く開いていたものだから。どんな所なのだろうと思って・・・。」
「修道院内を歩き回ってはいけないと言っておいたでしょ。見つかったらどれだけ私が僧院長様に叱られるか・・・。」
「ああ、君にまで迷惑を掛けてしまうんだね。悪かった。すぐ戻ることにするよ。ちょっと手を貸してくれるかい?」
「ええ、ここに掴まって。」
マリアがすぐ横に寄り添って肩を貸してくれる。そこに掴まろうとしてマリアの腰に手を回した際に涼馬は妙な違和感を感じる。
(あれっ? この感覚・・・、以前にも感じたような・・・。)
涼馬は記憶を辿ろうとするが、何も思い出せなかった。
「お願いだから、誰にも見つからないうちに離れに戻って。心配だったから様子を見にいったの。そしたら離れがもぬけの殻だったので慌ててあちこち捜したんですよ。」
「御免、勝手に動いて悪かった。もうしないから。」
涼馬はマリアの肩に手を掛けて身体を支えて貰いながら何とか離れの部屋に戻ったのだった。
離れに戻ってベッドに腰を下ろす際に、涼馬はよろけた振りをしてマリアの腰に触れる。
(あっ・・・。)
尼僧衣の下にマリアの柔らかな肌とは違う硬いものを感じた。
「大丈夫ですか?」
「ええ、ありがとう。やっぱりまだ独りで歩くのは無理かな。」
「本当に、ご無理はなさらないで。」
「ねえ、マリアさん。さっき見たあの地下は何なの? ちょっと見たところ、地下牢みたいに見えたけど・・・。」
「あ、あれは・・・。」
マリアは急に言い淀む。
「教誨室ですわ。」
「キョウカイシツ? 何ですか、それって・・・。」
「修道女がいけない事をした時に、回心をする為の場所です。」
「いけない事? 修道女がいけない事って、例えばどんなこと?」
「あの・・・、それは・・・。口にすることも赦されていない事です。もう、いいでしょう? いいですか。足の傷が治るまで、ここにじっとしていてくださいね。」
「ああ、わかったよ。」
マリアが部屋を出ていってから、涼馬は湧いてくるくる疑問に思いを巡らしていた。
(修道女が、いけない事? オナニーみたいな事だろうか?)
すると涼馬の脳裏には自慰をしているのをみつかった修道女が懲らしめとして手枷、首枷に足枷まで嵌められて暗い地下牢に反省として閉じ込められる姿を想像してしまう。勿論、その修道女は先程まで自分の面倒を見て呉れていたマリアなのだった。
涼馬は下半身に勃起を感じ、つい手を添えてしまう。
その夜もマリアが夕食を給仕してくれた筈だった。マリアがベッド上で夕食を採っている涼馬に、僧院長が処方したという栄養剤を溶かしこんだという葡萄酒を呑ませてくれる。それを呑んだらすぐに眠り込んでしまったようだった。
涼馬が目覚めたのは深夜遅くだったようだ。金縛りにあったように両手、両足が自由にならない。不自由な身体ながら見回すと前夜と同じ、礼拝堂のほぼ中央に自分の身体が据えられているらしかった。涼馬は夢ではないのだと確信する。下半身に何も感じないのは、身に着けていた筈のものを全て剥されていたからに違いないと思う。
薄暗かった礼拝堂の奥のほうに灯りが点される。昨晩とは異なる礼拝堂の脇に設置された説教台に誰かが括り付けられている。目を凝らすと、自分の世話をしてくれているマリアの姿に違いなかった。マリアは両手を後ろ手に戒められているらしく、苦しそうにもがいている。その背後に居るらしい誰かが、マリアの尼僧衣をたくし上げていく。マリアの白い太腿が次第に露わになっていく。遂には僧衣の下に着けている純白の下穿きまでが露わにされる。涼馬の堪らず股間のモノを屹立させてしまっていた。
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