無毛放置

妄想小説

尼僧院物語



 十三

 「貴方が若者をそそのかして唇を重ねた場所はこの辺だったわね。さ、この樹に繋いでおくからしっかり反省するのよ。」
 その場所は修道院内の敷地内なので、外からの侵入者が見咎めることはない場所ではあった。それでも何時、誰がやってくるか判らない屋外で殆ど全裸のまま縛られて放置されるのは辛いことではあった。しかしマリアに課せられた至難はそれだけではなかった。やがてマリアの股間目掛けてやってくる藪蚊の責め苦に苦しめられることになることにはマリアはこの時はまだ気づいていなかった。

覗き窓昼間

 マリアからもう決して外に出ないように釘を差されていた涼馬は、離れの外で何やら騒がしい気配がするのが気になってついつい杖となる棒を頼りに離れの扉まで歩いてきて、扉をそっと薄く開けてみる。涼馬が目にしたのは、黒い僧服を纏った修道女たちの集団だったが、その中に一人だけ肌を露わにして背中に戒めを受けた若い女の姿を認めたのだった。顔までは見えなかったが、それは自分を助け、いろいろ世話をしてくれたマリアに違いないと涼馬はすぐに気づいた。すぐにも近づいていって助け出してやりたいと思うのだが、それがマリアに更なる苦難を強いることになるかもしれないことに思い至り、苦渋の思いの中でそれを断念したのだった。
 (マリアは自分がいきなりキスをしたせいで、責め苦を受けることになったのに違いない。おそらくはあの地下牢のような教誨室と呼ばれる場所で手枷、首枷、足枷を嵌められて反省を強いられるのに違いない。)
 そう思うと、居ても立っても居られない思いを感じる一方で、その姿を想像していると股間のモノがどんどん強く勃起してしまうのを抑えきれないのだった。

 涼馬はこの部屋へ招じ入れられてからずっと、どこかから監視されているような気がしてならなかった。部屋の天井近くには飾り物の彫刻があって、その彫刻に刻まれている魔除けらしき彫像が自分を睨んでいるような気がしてならず、それを見つめては気のせいだと思っていた。この時もその魔除けの彫像を見返してみたのだが、ただの彫刻でしかなかった。
 それで再びマリアのことを思い返し、オナニーに耽り始めたのだった。しかし涼馬がオナニーに耽りながらマリアが辱められている姿を想像して勃起したペニスをしごき始めたとき、その彫像の目の部分が開かれて、本当の眼が涼馬の自慰をそこから見つめていることに気づいていないのだった。

覗き窓

tbc
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