妄想小説
尼僧院物語
三十二
中から扉を開けたマリアは真正面に見知らぬ若い男性の姿を見て吃驚する。
「ど、どなたでしょうか。ここは、尼僧院ですよ。男子禁制の場所です。どこから入って来られたのですか。」
「ふふふ。あんたがマリアさんかい? なるほど、かなりのいい女だな。涼馬が惚れ込むのも無理はない。」
「り、涼馬さん? あなた、涼馬さんのお知り合い?」
「ま、ダチってとこかな。入らせて貰うよ。」
「こ、困ります。人を呼びますよ。」
「人を呼ぶだと? 俺はこの僧院で夜な夜などんな事が行われていたのか知ってるんだぜ。そんな事、世間に公表されてもいいんだったら、大声で人を呼んでみるんだな。」
「そ、それは困ります。」
「そうだろ。お前は俺にレイプされたって、何の申し立ても出来ないんだって知ってるんだぜ。だから、こうしてお前の処女を頂きにはるばる来たって訳さ。」
「それでも修道院の皆さんは全員でこの修道院を守る筈ですわ。だから皆さんの助けを呼びます。」
「おっと、大きな声を出されちゃ困るんでな。これを口に咥えてな。」
琢己はポケットからハンカチを取り出すと、いきなりマリアの鼻を摘み上げる。マリアが息が苦しくなってつい口を開けてしまうと、琢己は手にしたハンカチをマリアの口の中に押し込んでマリアのベッドに押し倒す。
「うぐうぐっ・・。ううっ。あぐあぐっ・・・。」
マリアが大声を出せなくしてしまうと、琢己はマリアの両手を縛るものを捜す。ちょうど尼僧服の腰紐が手頃な長さだったので、それを引き解くとマリアを俯せにひっくり返し、両手を背中で交差させて縛り上げてしまう。
「尼さんを犯せるなんて、興奮するな。本物の尼さんをみたのは初めてだぜ。本当にこんな格好をしてるんだ。さて、どんな下着を着けてるのかな。」
「うぐっ、うぐっ・・・。」
マリアは必死で叫ぼうとするが声にならない。琢己がベッドに仰向けになったマリアの尼僧服の裾に手を掛ける。いきなりそれを捲り上げ、胸のほうまでたくし上げてしまう。マリアの白い太腿が露わになる。しかしマリアの腰には金属製の貞操帯がしっかり巻かれていたのだった。
「うっ、ほんとに貞操帯を嵌められているのか。くそう。いや、待てよ。おい、マリアさん。この貞操帯の鍵は僧院長が持っているのだよな。」
マリアは頷きも首振りもしない。しかし、それはそうだという証しでもあった。
「確か僧院長の部屋はこの廊下の反対側の端だって聞いていたが、そうなのだろ?」
マリアは必死で首を横に振るが、その動作は却ってそうなのだと言っているに等しかった。
「ちょっと待ってろ。僧院長に鍵を貰ってくるからな。その間はおとなしくしていて貰おうか。」
そう言うと、琢己はマリアを縛った腰紐の余りの部分をベッドポストに括り付けてマリアを動けなくしてしまう。
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