妄想小説
尼僧院物語
三十四
修道院の廊下の陰に潜んで琢己がマリアの部屋に忍び込んでくるのを見張っていたのは、子分のように懐かせている後輩の修道女から敷地内に不審な男が忍び込んでいるという報告を受けたナタリー修道長だった。ナタリーはマリアが世話していた若者が急に居なくなったらしいという噂を聞いてずっと不審に思っていた。誰かが忍び込んできたというのを聞いて、その若者ではないかと見当をつけていたのだ。
男がマリアの部屋に入ったのを見届けてからこっそり後をつけ、ドアを薄目に開いたナタリーの目に入ったのは縛られたマリアが今にも犯されようとする姿だった。咄嗟に傍にあったブロンズの聖人像を手に掴んだのは殆ど無意識の行動だった。
すぐに仲間の修道女たちを集め、気を喪っている間に台車に縛り付け礼拝堂に運ばせたのだった。その間にナタリーは僧院長の部屋へも様子を見に行って、薄くドアを開けて僧院長とその側近たちが猿轡を咬まされた上でベッドに並んで縛り付けられているのを発見する。ナタリーは僧院長たちの戒めを解くことはせず、暫くそのままで放置することにした。これからすることに邪魔になると思ったからだ。
ナタリーは僧院長とその側近たちが夜な夜な修道院に迷い込んだ男を薬で眠らせ、深夜の礼拝堂で自分達の性欲を貪っているのに気づいていた。その事に気づかれない為に、マリア以外の修道女には男と接する事を厳しく禁じていたのだとも気づいていた。
ナタリーが礼拝堂に戻ると男は既に、十字型に並べられた三つの台車の上で、磔のように縛られていた。下半身に身に着けていたものは全て剥ぎ取られ萎えた陰茎をだらしなくぶら下げているのが見える。
「気付け薬と、例の強壮剤を持っておいで。」
ナタリーは手下の修道女にてきぱきと指示する。修道院に古くから伝わる強壮剤は修道院の裏庭の奥で栽培されている薬草から院内で精製されているもので、バイアグラのような効力を持っていた。勿論、表向きは使用することは禁止されていたが、秘密裡に利用する者がいるのは公然の秘密なのだった。
琢己は気付け薬を嗅がされるとすぐに目を醒ました。自分が十字型の台の上に磔にされていて、手足を固定されているのに直ぐに気付いた。
「な、何なんだ。これは・・・。くそう、何時の間に。」
「ふふふ。修道院に忍び込むなんて、随分大胆ね。ここもさぞかし元気なんでしょうね。」
ナタリーは修道女達の前で恥ずかしげもなく縛られて寝かされている男のペニスをしっかり掴むと揺り動かす。
「何をする? や、やめろっ。」
「さ、こいつにあの薬を飲ませるのよ。すぐにここが元気になってくるから。」
命じられた修道女たちが壺に入った飲み薬を琢己の口にゆっくり注ぎ込んでいく。
「うっぷ。何だ、これは。何を呑ませている?」
「すぐに判るわよ。効果覿面なんだから。ほらっ。もう立ってきた。」
ナタリーが指摘すると、琢己のペニスがどんどん上を向いてくる。それを見ていた修道女たちがくすくす笑い声を洩らしている。
ナタリーがペニスの裏側のカリの部分を指の腹でなぞると、琢己の意志とは関係なく立派に怒張して反り上がってくる。
「最初は私が味わわせて貰うわよ。」
ナタリーがそう言うと台の上に乗って僧衣の裾を絡げる。既に下着は取ってあったらしく、ゆっくりと腰を沈める。
「ああ、随分久しぶりだわ。こんな気持ち。あんたもすぐに気持ちよくなれるわよ。」
「やめろっ。お前なんかとしたくはない。」
「あの薬は意志とは関係なしに勃起出来るものなの。さあ、あんたは身動き出来ないでしょうから、わたしが腰を回してあげるわね。」
「ああ、やめろっ。ああ、出てしまいそうだ。」
「あら、随分と早いのね。早漏なの?」
「ああっ・・・。」
琢己が悲鳴に近い声を上げると、ナタリーはさっと身を翻して琢己の下半身から降り立つとペニスをぎゅっと握ってしごく。ナタリーがそれを口に咥えるのと白濁したものがペニスの先から噴きだすのがほぼ同時だった。
ゴクンと音をたてて、ナタリーはそれを呑みこむのだった。
手の甲で口の周りについたスペルマを拭いながら、まわりの修道女等を見回す。
「どう、お手本を見せてあげたから、順番に跨るのよ。」
一旦射精を終えた琢己のペニスは一旦萎えてしまったが、別の修道女が人差し指と親指で作った輪で上下にしごき始めるとすぐに硬さを取り戻してきた。
「さあ、今度は私の番よ。早く立派になってね。」
そう言いながらも既にその修道女は琢己に跨り始めていた。
二人目が同じ様に射精の一瞬前に琢己の上から飛び降り、暴発前にすかさず咥えこむ。
三人目の時はさすがになかなか勃起してこなかった。琢己も矢継早に精を搾り取られるようで、息も絶え絶えになってきていた。
「何よ、若いのにだらしないわね。誰か、マリアの部屋へ行ってきて。縛られたままだから、縄を解かないでそのままでここへ連れてくるのよ。いま、あんたがしたがってた娘を連れてきてあげるから、しっかり勃起させるのよ。」
マリアが連れて来られるまでの間、括り付けられた琢己の上半身と下半身を分けるようにカーテンが取り付けられる。琢己にはカーテンに遮られて跨っている修道女を見えなくしようという魂胆のようだった。
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