僧院入口

妄想小説

尼僧院物語



 二

 ふと涼馬が正気に返ると自分は清潔そうなシーツに包まれてベッドに寝かされていた。すぐ目の前には一人の若い修道女が心配そうに自分を見つめているのが見えた。
 「あ、ここは・・・。?」
 「まあ、お気がつかれましたか。さきほど口に含まれました気付け薬が効いたのですわ。」
 「あ、あなたが私を助けて下さったのですか?」
 「助ける? 修道院の前で倒れていらしたので、肩をお貸ししてここへお連れしただけです。」
 「修道院? ここは修道院なのですか。」
 涼馬は改めてまじまじと目の前の修道女の顔をみつめる。まだあどけなさの感じられる若い女性だ。修道女の服に身を包んでいるので顔の一部しか見えないが、かなりの美人だと涼馬は思った。
 「ここはカテリーナ会に所属するロザリンド女子修道院です。この部屋は元々は棲み込みで働いていた下男が居た際に使っていた離れです。今はもう修道院には居ないので空いていたのでお連れしました。僧院長様に相談申し上げたところ、ここを使うようにとの申し付けでした。この修道院は巡回で廻って来られる神父様以外は男子禁制の場所なので、修道院の母屋にはお連れ出来なかったのです。」
 「ああ、そうなんですか。御迷惑をお掛けしました。うっ、く・・・。痛いっ。」
 涼馬は起き上がろうとして足に力を篭めたが、滑落した際に痛めた足が疼いて起き上がることも出来ない。
 「あ、無理をなさらないで。脚にそうとう酷い怪我をされているようです。動けるようになるまで、暫くはこちらで静養なさってくださいませ。いま、温かいスープをお持ちしますわ。」
 「ああ、済みません。何から何までご迷惑をお掛けして。」
 そう言いながら涼馬は目の前の若い修道女を再びじっくりと観ていて、下半身に勃起を感じる。気づかれないようにこっそりシーツの下で下半身に手をやると、ズボンと下穿きが下されているのだった。傷の手当をされた際に、穿いていたものを脱がされていたらしかった。どうも怪我をした足首には包帯が巻かれている様子だった。
 若い修道女はベッドに居る涼馬の前に小さなテーブル状の食卓台を置くと、そこにスープの皿とグラスに入った紫色の飲み物を置く。
 「僧院長にこちらをお飲み頂くようにとの仰せ付けです。身体の回復にきっと役立つと思いますので。」
 「あ、ありがとう・・・ございます。」
 涼馬はシーツの下で何も穿いていない下半身を勃起させていることを気づかれないようにシーツを軽く手で持ち上げながらお礼を言うのだった。
 目の前の若い修道女が自分のズボンと下着を脱がせたのだと思うと、更に屹立が増して来るが、(あなたが私のズボンとパンツを脱がせたのですか)とはどうしても訊けないのだった。


tbc
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