呼び止め

妄想小説

尼僧院物語



 十二

 懺悔室を出て暗い廊下を自室に戻ろうとしていたマリアは突然後ろから呼び止められる。
 「そこに居るのはマリアね。お待ちなさい。」
 「ああ、ナタリー修道長様。今、神父・・・、あ、いえ、僧院長様に呼ばれていたので、自室に戻るところです。」
 「僧院長? そう、じゃ、話があるからついていらっしゃい。」
 「わ、わかりました。ナタリー様。」
 何となく不安を憶えながらマリアがナタリー修道長について行くと、そこは礼拝堂で、しかもそこには長老と呼ばれる僧院長たち、古手の修道院幹部以外の修道女たちが揃っていた。

尼僧衆人責め

 「何故ここに呼ばれたか、わかりますね。マリアっ。」
 「え、いえ・・・。」
 「貴方には懺悔することがありますよね。」
 「いえ、懺悔でしたら・・・。」
 (さっきアレクセイ神父に受けてきました)と言おうとして秘密の奥義については他言してはならないときつく釘を刺されていたのを思い出して言葉を途中から呑みこんだ。
 「あ、あの・・・。は、はい。」
 「でしたら、この礼拝堂の十字架の真正面に来なさい。さ、みんな。マリアの僧服を剥ぎ取るのよ。そして、下着も。この修道院では皆の前で懺悔する時は、すべてを包み隠さないという証しとして、着ているものは全て脱ぐのがしきたりよ。そして懺悔する者は罪びとよ。それを深く認識する為に縄で両手を後ろ手に縛るの。いいわね、マリア。」

下着剥ぎ

 「ああ、下着まで取らねばならないのですか。」
 「そうよ。さあ、さっさと裸になりなさい。そしたら縄で両手をきつく縛って貰うのよ。」
 「ああ、シスターの皆さん。どうか私をお縛りください。」
 「そう。皆の前でそこに正座するのよ。どう、素っ裸になって縛られて・・・。何でも白状する気分になったでしょう。」

懺悔

 「・・・・。」
 「どうしたの、マリア。罪を皆の前で告白するのじゃなかったの?」
 「あ、あの・・・。わ、わたくし、マリアは・・・。あの、男の方と・・・、接吻をしてしまいました。」
 マリアの口から『接吻』という言葉が発せられて、修道女の中にどよめきが起こる。
 「な、なんとはしたない事っ。」
 「修道女にあるまじき行為よっ。」
 「この色きちがい。」
 次々に修道女たちから罵声が浴びせられる。
 次に言葉を発したのは人一倍戒律に厳しい修道長のナタリーだった。
 「あなたが男を唆したのね。」
 「いいえ、違います。唆しただなんて・・・。」
 「では、ひと目につかない裏庭の先の森へ男を連れていったのは誰?」
 「そ、それは・・・。」
 「森の木立の中なら目につかないと思ったのでしょ。」
 「そ、そんな。あの方が森の新鮮な空気が吸いたいと仰ったので・・・。」
 「嘘おっしゃい。ひと目につかない場所に連れ出せば、その男がその気になると思ったからでしょ。」
 「ち、違いますわ。あの方が突然抱きついてこられて・・・。」
 「そうするようにしむけたのは貴方でしょう。アダムに禁断の林檎を薦めたイブと同じことです。貴方が殿方をたぶらかしたのです。」
 「いいえ、そんなことは決して・・・。」
 「罪を認めなさい、マリア。」
 「ああ、わかりました。私は罪びとです。」
 「やっと認めたのね、マリア。」
 「はい、ナタリー様。」
 「ならば、罰を受ける覚悟は出来ているわね。」
 「・・・。は、はいっ。教誨室へ参ります。」
 その時、修道長ナタリーへ耳打ちする別の修道女が居た。
 「ふうむ、それもそうね。マリア、あなたには今回は教誨室とは別の場所で回心の反省をして貰います。その前に、回心する為の儀式を行います。」
 「儀式・・・ですか?」
 「そうよ。修道女見習いのお前はまだ知らないかもしれませんが、罪を冒した修道女が回心をするには、邪悪なものを捨て去らねばなりません。お前の邪悪な思いの根源はその脚の付け根にある不埒な陰毛です。それを全て剃り落してから回心に入るのです。身綺麗にして新しい自分に生まれ変わるという意味もあるのです。さあ、マリア。どうしますか?」
 「わかりました、ナタリー様。私のこのふしだらな股間のモノを全て剃り落してくださいませ。」
 「いい覚悟だわ。じゃ、皆さん。準備して。マリアをこの台の上に乗せて、脚を広げさせるのです。」
 さきほどナタリー修道長に進言をした修道女が再びナタリーに近寄ってきて、ちいさな小瓶を手渡す。
 「この壜に入っているのは、ほおずきの実の汁から抽出した液体です。このほおずきの実の匂いは、森のやぶ蚊の大好物なのです。剃り落した後に剃刀負け防止だと言ってローションとして塗ってやってはいかがでしょうか。」
 「それは・・・。そうね。ふふふ。」
 「さあ、皆さん。マリアの剃毛が終わったら、裏庭の先の樹の下にマリアを縛って吊るすのですよ。マリアが間違いを犯した場所で、その事を深く反省させる為です。よろしいですね。」
 マリアは股間の陰毛をすっかり刈り取られてしまった後、年増修道女たちに尼僧頭巾の他は全裸の状態で縛られたまま、両方の二の腕を掴まれて裏庭のほうへ引きだされていく。

tbc
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