尼僧勢揃い

妄想小説

尼僧院物語



 十八

 その夜、マリアはナタリー修道長から深夜、礼拝堂に呼び出された。昼間の事があるだけに嫌な予感しかしないマリアだったが、修道長の呼び出しに背く訳にもゆかないのだった。
 礼拝堂に入ってみると、僧院長他古参の修道女を除いて、中年の年増修道女たちが揃っていて、その中心にナタリー修道長が仁王立ちになっている。
 「お呼びでしょうか、ナタリー様。」
 「お前がここに呼ばれた訳は判っている筈よね。」
 「いえ、わかりません・・・。」
 「お前にもう一度、私達の前で懺悔をしてもらうのだよ。」
 「もう一度、懺悔でしょうか?」
 唇を奪われてしまったことはもう充分罰を受け、悔い改めをさせられたと思っていたマリアは、今度は何を問われるのか訝し気に思っていた。

礼拝堂鞭打刑

 「さ、みんな。マリアの僧服を下着ごと剥ぎ取って、縄を掛けるのよ。懺悔の儀式を始めるよ。」
 「お、お赦しください、ナタリー様。この上、何の罪を告白せねばならないというのですか?」
 抗議するマリアだったが、周りに集まった年増修道女たちがマリアを羽交い絞めにして僧服を下着ごと剥ぎ取っていく。マリアの両手に縄が掛けられ、背中から胸の上下をきつく縄で縛り上げてしまう。
 「お前が男のことを思って自慰をしていると告げた者がある。本当かどうかを確かめるのだ。」
 「ジイ・・・? ジイとは何の事でしょうか。」
 「とぼけるのか。オナニーの事だよ。」
 「オナニーもわかりません。」
 「自慰もオナニーも知らないと申すのか。それならば、本当かどうか確かめてやろう。マリアをその柱に縛り付けるのじゃ。片方の手だけ戒めを解いてやりなさい。そして僧服を着せるのです。」
 そう言いながら、ナタリーは傍らの修道女にこっそりと茶色のちいさな壜を手渡し、耳打ちする。
 「マリアに僧服を着せる時に、こっそりこの壜の中の軟膏をあそこに塗り込めるのです。」
 「承知しました、ナタリー様。」
 マリアの肩腕だけが縄を解かれ、そのうえから尼僧服だけが被せられる。下着は奪われたままだった。礼拝堂の両側の柱に一本ずつ縄が通され、マリアは片腕だけ自由になった格好で礼拝堂中央に正座させられる。
 「マリア、これを自由なほうの手に持つのだ。」
 ナタリーがマリアの自由なほうの手に手渡したのは木で出来た十字架だった。一見、普通の十字架のようだが、下側の取っ手のような部分に彫刻が彫られている。そしてそれは男性のペニスを模したものだったのだ。マリアはそれがペニスなのだと気づいていない。
 「マリアよ。この十字架を持って一晩、神に祈るのだ。一晩我慢が出来たらお前の潔白を信じよう。」
 そう言うとマリアを置いて年増修道女たちは次々に礼拝堂を出て行く。独りマリアだけが礼拝堂の中央に二つの柱に繋がれて残されたのだった。

十字架ペニス


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