妄想小説
女子修道院の隠された秘密
六
「な、なんと・・・。自分の手では満足出来ないというのか。」
「自分の指であそこを弄ぶこともありますが、それだけでは十分な満足を得られないのです。」
「な、何ゆえそのような事を・・・?」
「私は入信前に恋人がおりました。ある時、その恋人が私の身体を求めました。初めてのことだったので、不安に駆られ逃れようとしました。すると彼は私が逃げられないように縄で縛って自由を奪ったのです。」
「そ、それで身を穢されたというのだな。」
「い、いえっ。その時は犯される前に大声を挙げたのです。その声に気づいた女友達が助けに来てくれたのです。その時以来、私は男性不信に陥りました。引き籠るようになりそれを知ったシスターが神の道に導いてくださったのです。」
「それがそなたの入信のきっかけという訳じゃな。」
「そうです。ですが、私が恋人から受けたあの時のことがトラウマになっていて、夜になるとあの時のことが思い出されてきて・・・。そうなると堪らなくなって自分で自分の身体を縛って、あの時の気持ちを思い出そうとしてしまうのです。」
衝立を隔てて薄いカーテンの向こうから聞こえてくるマリアの赤裸々な告白から、マリアの痴態を思い浮かべるだけで、神父自身の下半身が異変を起こしているのに神父自身も気づいていた。マリアの告白を聴きながら、イワノフ神父は己の股間の屹立に手を伸ばし始めていた。
「自分で縄で戒めを掛ける時は僧衣の上からしているのか?」
「いえ。僧衣の下の下着だけ全て取って、僧衣をたくし上げて縄を巻き付けます。ベールと頭巾だけを纏って全裸になってすることもあります。」
思わず神父は生唾を呑み込んでしまう。
「神父様。これは修道女として大いなる罪なのですよね。どうか、償いの罰をお言い渡しくださいませ。」
「うーむ。それならば、償いとしてロザリオの祈り十回を唱えることを言い渡そう。」
「ロザリオ・・・? 神父様。どうか、もっときつい罰をお与えください。そうでないと、また同じ過ちを犯してしまいそうです。」
「もっときつい罰をとな・・・。ふうむ。そなたは過去のトラウマに余りに囚われているようじゃ。そのトラウマを取り除く必要があるのかもしれんな。」
「神父様。この修道院の地下に教誨室がございます。そこでわたくしに厳しい罰をお与えくださいませぬか。」
「この修道院の教誨室のことを知っておるのか?」
「はい。一度、先輩の修道女の方に連れていって頂きました。昔はよく懺悔の償いの為に使われていたとか・・・。」
「そうか。今宵は他のシスターたちは不在なのだったな。・・・・。ならば10分ほどしてから教誨室に来なさい。」
「神父様も教誨室のことはご存じなのですね。」
「勿論、知っておる。ただ、教誨室を使ったことは誰にも言ってはならぬぞ。」
「わかりました、イワノフ神父さま。ではのちほど。」
マリアの切実な告白の間に、イワノフ神父の頭にはある誘惑が迷い込んできたのだった。
(教誨室とは・・・。マルタの事をつい思い出してしまったぞ。)
神父の僧衣の下の屹立はまだ収まってきてはいないのだった。
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