巡回神父控室

妄想小説

女子修道院の隠された秘密



 二十三

 マリアが受け取った鍵束の中の一つの鍵が合致して扉が開くと、初めて観る神父の部屋には大きな机と椅子が置かれているのが分かる。男に促されて机の抽斗を一つずつ検めていくと、一つだけ鍵の掛かった抽斗が見つかる。再び鍵束の中からいろいろ試してみて、最後に試した鍵でその抽斗が開いた。その抽斗の中に入っていたものを見て、マリアははっと息を呑む。

抽斗の写真

 抽斗の中には何枚ものモノクロの写真があって、どれも修道女が縛られて折檻を受けているようなものばかりだったからだ。中でも一枚がマリアの目を惹いた。

足枷白黒

 それは教誨室らしき場所で一人の修道女が折檻を受けているモノクロの写真だった。すぐそれはその夜自分が受けていた罪の赦しを受ける為の贖いの姿だと思い込んでいたのだが、よくよく見ると姿格好は似ているものの、顔はマリアとは別人だったのだ。
 「こ、これは・・・。」
 マリアが驚愕してその写真を見ていると、男が横からその写真を取り上げる。更にはその下から同じように折檻を受けているらしい同じ修道女の写真が出てきたのだった。やはりモノクロなのだが同じ修道女で、明らかに戸外と思われる場所に修道女は僧衣を剥ぎ取られ十字架に磔にされているのだった。しかもその股間にはある筈の茂みが剃り落とされていて真一文字の性器の割れ目が露わになっているのだった。

白黒磔

 「お前はこの写真に写っている女が誰だか分かるのか?」
 男の問いにマリアはかぶりを振るしかなかった。
 「私の知らない修道女です。私にはよく似ている気がするのですが・・・。」
 他にも何枚かあった写真を男は取り出すとマリアにはもう見せずにポケットにしまいこむのだった。
 「お前にはこれから用を言い付ける。お前はこの2枚の写真を持って礼拝堂の神父の所へ戻って写真を見せ、この女がどうしてこんな目に遭ったのか、その後どうなったのかを聞き出してくるのだ。ちゃんと訊き出してきて俺にきちんと報告すればお前たちはもう解放してやる。」
 「神父さまがもし教えて下さらなかったら・・・。」
 「その時は俺があそこへ戻ってあの老神父のちんぽを鋏で切り取ってしまうまでさ。そう伝えれば正直に話すだろう。」
 「そんな脅すようなことを私が言うのですか? 貴方が言って話すように仰ればいいではありませんか。」
 「俺はまだこの部屋を家探ししなければならないからな。それにお前独りで行ったほうが、あの神父も正直に喋りそうだからな。」
 「訊き出してきて報告すれば本当に解放してくださるのですね。」
 「ああ、約束しよう。ただ、その前にお前にはもう一度手錠を掛けさせて貰う。その格好では外には出れないだろうが変な気を起こさないようにな。」
 男はポケットから再び手錠を取り出すと、後ろ手にさせたマリアの両手にそれを掛けてしまう。その上でマリアには二枚の写真を持たせ、礼拝堂の神父の元へ送り出したのだった。

マリア

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る