妄想小説
女子修道院の隠された秘密
二十二
「どうしてこんな格好で外を歩かせるのです?」
「ふふふ。逃げ出したらどんな恥ずかしい格好を世間に晒すことになるのか、ようく分からせるためさ。」
「ああ、もう赦してください。建物の中に入らせてください。」
「いいだろう。じゃ、神父の部屋まで案内して貰おうか。」
今度は全裸にされたマリアが男に首縄を取られたまま再び僧院の中へ戻るのだった。
「あの・・・。絶対に逃げないと約束しますから、手錠は外して頂けませんか。それと、幾ら何でも裸で歩き回るのは気が引けます。何か身に着けさせて貰えないでしょうか?」
「ふうむ。そうだな。じゃ、まずお前の部屋に行こうか。」
マリアは全裸に手錠を掛けられたまま自分の部屋へ男を案内する。部屋に入った男は勝手にマリアのクロゼットを調べ、替えの僧衣を引き出してくる。
「鋏はないか?」
嫌な予感がしたが整理箪笥の一番上の抽斗にある裁ち鋏を教えると、男はクロゼットから引っ張り出した僧衣の裾を何の容赦もなく短く切り揃えてしまうのだった。
「じゃ、手錠は外してやるからこの僧衣を身に纏うんだな。但し下着は一切無しだ。いいな。」
マリアは全裸で僧院内を歩き回されるよりはマシだと思い仕方なく頷く。切り取られた僧衣は股下ぎりぎりまでの長さしかなかった。それでも全裸で居るよりはよっぽどマシだった。
「あ、ありがとうございます。」
お礼を言うのは理不尽な気がしたが、マリアは全裸から解放されてやっと人心地ついた気がしたのだった。
「それじゃ、神父専用の控室に案内して貰おうか。」
神父の部屋はマリアも入ったことがなかったが、ドアノブを回しても開かず施錠されているのが分かった。マリアが男の方に振り向くと、男は黙った神父のポケットから抜き取ってきた鍵束を渡す。
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