妄想小説
女子修道院の隠された秘密
二十六
一晩中のそんな責め苦に堪えられる筈もなく、聖書の上に失禁してしまったことで更なる罰を受けることになる。
今度は全裸で教誨室の石の床の上に正座させられ一晩放置されたのだった。
襲ってくる睡魔に堪えられる筈もなく、つい眠りこけてしまったマルタを悔悛の気持ちが無いと今度は修道院の奥にある森の前に作られた十字架に身ぐるみ剝がされて放置されることになったのだった。
その後もマルタに対する虐めとも言える折檻は続き、とうとうマルタに対する通告で最後を迎えることになる。
僧院長のオルガから罪はアレクセイ修道院の修道士にもあるのでその修道士を罪の贖いの罰として去勢してしまうとマルタに通告したのだった。
この通告に心を痛めたマルタはその夜、自ら首を縊くることで全てを終わらせようとしたのだった。マルタから密かに逃げるよう報せの手紙を受けた修道士はマルタの縊首による死を知らされて忽然と姿を消したのだという。
ここまで語り終えたイワノフ神父の話を聞いて、マリアは神父に問い質す。
「神父さまは何時この事をお知りになったのですか?」
「それはマルタが自ら首を縊って命を絶つ前に最後の懺悔でその顛末を聞かされたのじゃ。勿論それが最後になるとは私も知らなかった。僧院長に話して、二人を還俗させ結ばせてはどうかと提案するつもりでおったのじゃ。しかしそれをする前にマルタが縊首したことを知らされてしまった。」
「で、僧院長さまはどうなったのですか?」
「修道女たちの間でもマルタが縊首したことで、さすがにそこまではやり過ぎだったのではないかと問い詰められて、翌日僧院長自身も縊首してしまったのじゃ。」
あまりの壮絶な展開にマリアは言葉を失い茫然自失となってしまう。しかし、はっと我に返ったマリアは今聞かされた話を伝える為に老神父の部屋に戻ることにしたのだった。
「えっ? マリアよ。全部、正直に話したのだ。私の戒めを解いてはくれぬのか?」
「イワノフ神父さま。私は必ず戻って参ります。まずはあの男に報告してきますので、今しばらくお待ちください。」
そう言い置くと、マリアは神父専用の部屋で待っている筈の男の元へと急ぐのだった。
「ふうん。そういう事か・・・。」
マリアには衝撃的に思われたイワノフ神父の話が、その男にはさも既に知っている話を聞かされたかのように平然と聞いていたのを不審に感じるのだった。
「約束です。その写真の経緯を神父から聞き出して報告したのですから、もうこの戒めを解いて私達を自由にしてください。」
「ああ、約束だからな。ただし、その神父の話には信憑性を欠く部分も無いではないので後日再度確認に来るやもしれぬ。が、今日は取り敢えずは解放してやろう。」
マリアはやっと解放される安堵から男に向かって背中の両手を差し出す。
「ではこの手錠を外してください。」
「いや、そういう訳にはゆかない。こちらも姿を消すのに時間が必要なのでね。それと、お前にももう少しあの神父の本性を知っておいて貰う必要がある。」
「え、どういう事ですか?」
「ほら。これが手錠の鍵だ。そしてこの鍵はお前のあそこに差し込ませて貰う。その上でお前にはこれを装着して貰うのだ。」
「何なんですか、その奇妙なものは・・・。」
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