礼拝堂目覚め

妄想小説

女子修道院の隠された秘密



 十七

 老神父が目覚めた時には、既に自分の両手は背中でしっかりと縛り上げられ礼拝堂のほぼ中央の両脇に並んだ長椅子の端に括り付けられていた。長椅子は分厚い樫の部材で作られているので、神父ひとりの力では動かすことすら叶わなかった。
 そろそろマリアを開放してやらねばと、自分にあてがわれた部屋を出て地下の教誨室に向かう為に礼拝堂の脇を通り抜けようとしていた時だった。闖入者は既に修道院内に忍び込んでいたらしかった。暗がりから飛び出てきて後頭部を殴られる一瞬前に振り向いた神父の目に映ったのは狼のような頭をした若い男のようだった。記憶にあるのはそこまでで、殴られて昏倒してしまったらしかった。その後両手を縛られ礼拝堂内の長椅子に縛り付けられたのに違いなかった。
 (そうだ。マリアはどうしたろうか・・・。無事だろうか。)
 神父には自分がどの位の間昏睡していたのか見当もつかなかった。
 縄が解けないかもがいてみたが、厳重に括り上げられた麻縄はびくともしない。自力でこの場を脱するのは不可能だと諦めた頃、遠くから近づいてくる足音を聞いたのだった。足音は二人分で何やら礼拝堂の外で言葉を交わしていた様子だったが、何を言っているのかまでは聞き取れなかった。やがて静かになったと思った時、礼拝堂の扉がゆっくり開いてきたのだった。
 男は狼のような仮面を被って女を肩に抱えた格好で礼拝堂内に入ってきた。殴られる前に一瞬だけ見た闖入者に違いなかった。そして肩に抱えた女は将に神父が心配していたマリアだった。マリアは完全に気を喪っている様子だった。
 「マ、マリアに何かしたのか・・・?」
 男が近づいて来て神父の前でぐったりしているマリアの身体を下ろしたので神父は慌てて男に訊ねたのだった。
 「安心しろ。眠っているだけだ。」
 神父は教誨室に残してきた時のマリアの姿を思い出していた。両手を背中で戒められ足枷を嵌められた格好で下着も膝近くまで下したままだった筈だ。男がその格好のマリアを見たとしたら何もしなかったというのは考えにくかった。
 神父のすぐ前でぐったりしているマリアの身体を俯せの格好に返すとマリアの両手を背中に回させる。次に男はポケットから手錠を取り出すと、背中に交差させたマリアの両手首にそれを掛けてしまう。更にはその手錠に新たに取り出した鎖を潜らせると神父とは反対側の列の長椅子に通して錠前を掛けてしまうのだ。中央の通路の両脇に神父とマリアは相対峙する格好で縛り付けられたのだった。男がマリアをその格好で括り付けている間にマリアの僧衣は少し乱れて、踝から上の裸の足が少し覗いてしまう。その足に神父の目が泳いでいるのを男は見逃さなかった。

マリア脚露出

 「さすがに神父と言っても男だな。こいつの脚が気になるのか。それともお前が気にしてるのはその脚の付け根のほうかな。」
 「い、いや・・・。そのようなことは・・・。」
 「隠したって無駄だぜ。こいつがあの地下の部屋でさせられていた格好は見せて貰ったからな。あんな格好にしたのはお前だろ。」
 「そ、それは・・・。」
 「そうだ。こいつが何だかわかるか?」
 男はそう言って、袋から布切れを取り出す。ちいさな布切れはすっかり濡れそぼっている。それを神父の顔の前に翳すのだった。
 「お前がいつまでも戒めを解きに来ないから、この女、我慢出来なくなってオシッコを洩らしちまったんだぜ。ほら、匂いを嗅いでみな。」
 そう言って、男は濡れた下着を神父の顔にくっつけるのだった。
 「や、やめなさい・・・。」
 神父は顔を背けるが長椅子に括り付けられている為に自由には動けない。
 「これがここにあるってことは、この女、この僧衣の下はどうなってるか分かるよな?」
 「う、ううっ・・・。」
 男は足でマリアの僧衣を更にもう少したくし上げるので膝の上の腿までが露わになる。それを見た神父が思わず生唾を呑み込んだのも男は見逃さなかった。
 「ふふふ。興奮してきたようだな。ここがもう硬くなってきてるのだろう。」
 男が今度は神父の方の僧衣をたくし上げ中に手を突っ込む。
 「や、やめろっ。何をするのだ。」
 男の手は神父の僧衣の下の下着の股間部分を探り当てていた。
 「ほうら。やっぱりちゃんと勃起してやがる。この女の腿を見て欲情してるのだな。」
 「何を言っているのだ。聖職者を侮辱する気か?」
 「女の太腿を見てここまでチンポをオッ立てて、よく聖職者面が出来るのんだな。お前の正体をはっきり曝け出してやる。」
 そういうと男は神父の僧衣を完全にたくし上げると、その下の下穿きも一気に剥ぎ取ってしまう。神父は完全に勃起していて、男根が天を突いているのだった。
 「やめろ。やめるんだ・・・。」
 しかし完全に屹立した神父の男根はそう簡単には勢いを鎮めそうにもなかった。
 「これが何だか分かるか?」
 男は今度は突然神父の眼前に小さな金属片を翳して見せる。
 「か、鍵・・・なのか?」
 「そうだ。この修道女の両手に掛けた手錠の鍵さ。これを今からお前のその勃起したチンポの根元にこのゴムバンドで留めておいてやる。俺はここから立ち去るのにちょっと時間が必要なんで、その時間稼ぎっていう訳さ。この女が覚醒するにはもう少し時間が掛かるからな。女が目覚めたら、お前のチンポの根元に括り付けられた鍵を口で外させるんだな。そしたら女が手錠を外せてお前たちは晴れて自由になれるっていう訳だ。わかったな?」
 そこまで言うと、マリアの両手の自由を奪っている手錠の鍵を括り付けたゴムバンドを勃起した神父のペニスの根元にしっかりと繋ぎ留める。ゴムバンドは神父のペニスに食い込んでいく。
 「何を考えているのだ。こんなことをして何になるというのだ。」
 「これはお前たちの本性を知る一つの方法なのさ。それじゃ、俺はここから居なくなるからな。」
 そう言って男は礼拝所から立ち去るのだった。

 男の姿が見えなくなった礼拝堂内はしーんと静まり返って、残されたマリアの微かな寝息だけが響いている。傍らに落ちているマリアのものらしい濡れそぼった下着を見ると再び神父の股間が疼いて来る。
 (今、マリアは僧衣の下に何も下着を着けていないのか。男はマリアが失禁したと言っていたな。そんなに長い時間、マリアはあの格好をさせられ続けていたというのか。ああ、私がもう少し早くマリアの元に戻っていれば・・・。)
 色んな思いが次から次へ神父の脳裏に沸き上がってくるのだった。

マリア

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