妄想小説
競泳エースに迫る復讐の罠
二十
麗華は悦子が運んできた水がたっぷり入ったバケツの中に髪の毛を掴まれて顔を突っ込まされたのだった。
「さ、どこまで息が続くか見せてみな。」
麗華は後ろ手に戒めを受けているので抵抗することも出来ない。いきなりバケツの水の中に顔を沈めさせられて息を詰めさせられたのだった。
2分を過ぎたところでさすがの麗華も堪えられなくなり首を大きく横に振って限界を示す。
「ぷふぁあっ・・・。」
やっとのことで顔を水から上げて貰えて息を吐く麗華だった。
「へえっ。結構我慢出来るんじゃないか。こいつは愉しみだわ。」
朱美の意味不明の言葉を聞いて、麗華は余計に不安を募らせるのだった。
ピン・ポーン。
「お、やって来たようだぜ。おう、吟子。連れて来たか。今、門の錠を開けるから入ってきな。」
インターホンで吟子の姿を確認した朱美が勝手に真行寺家の門を解錠する。やがて吟子に先導されて二人の屈強な男に腕を掴まえられた美桜らしき目隠しをされて首輪の鎖に繋がれた女が牽かれてくる。

その姿を見た麗華は思わず叫び声を挙げる。
「美桜なの? 美桜なのね。貴女たち・・・。」
目隠しをされて連行されてきた美桜も、麗華の声を聞いてそちらの方を振り向く。
「今、目隠しを取ってやるよ。そらっ。」

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