妄想小説
競泳エースに迫る復讐の罠
十一
「あ、あの・・・。」
麗華は恥を忍んで暖炉の前で暖を取っているスケバン達に声を掛ける。
「何だい、何か用か?」
「お、おトイレに行かせて・・・、貰えないでしょうか?」
「ふん? トイレだって? トイレで何をしようって言うのだい。」
スケバン達の狙いは麗華を辱めることであることは明白だった。しかしそれでも生理的な欲求には屈せざるを得ないのだった。
「あの・・・。お・・・、おしっこがしたいのです。」
恥ずかしさを堪えながらやっと言い切った麗華だった。その言葉の恥ずかしさに顔を下に俯かせる様子を観て、朱美と悦子は顔を合わせてにやりとほくそ笑む。
「トイレに行きたいのだったら、その下着は邪魔よね。下着を全部脱がして素っ裸にしてくださいってお願いしてごらん。」
「え、そんな・・・。わ、わかりました。下着を全部脱がしていただけますか。」
「ね、悦子。聞いた? こいつ、トイレに行きたいから下着を全部取ってくれだってさ。そこにある鋏でこいつの下着、切り裂いてやりなよ。」
「え、そんな・・・。手錠を外してくれたら、自分で脱ぎますから。」
しかし悦子はテーブルの上に用意してあったらしい鋏を取り上げると、麗華の言葉など聞こえなかったかのように鋏の切っ先を麗華の目の前に翳して見せるのだった。

(えっ、ブラジャーまで剥ぎ取るなんて。そんな必要、ないじゃないの・・・)
思わず抗議の言葉が喉元まで出掛かった麗華だったが、何を言っても無駄なのだと口を噤む。その表情が読み取れたらしく、悦子が麗華に言い放つ。
「何だい、その表情は? ブラジャーまで切り取られるのが不服かい? 全部脱がしてってお前さっき言ったよな。」
チョキーン。
無情な鋏が麗華の胸元でブラジャーを真ん中から切り裂く。
「さ、今度はこっちだよ。」
悦子は今度は麗華のショーツの腰骨の辺りに鋏の切っ先を突っ込むと情け容赦なくショーツの両側を切り裂いてしまう。だらんと両脇を切り取られてしまった最早一枚の布切れでしかなくなったショーツはやがてはらりと足許の床に落ちていく。
「さ、手錠を外してやるから今度はこの縄で縛り直しだよ。」
「え、でもトイレに行くのに縄で縛らなくても・・・。」
「へたに自由にすると逃げ出す惧れがあるからな。さ、両手を背中に回すんだよ。」

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