菜々子美月対決

悪夢の前夜祭


 第三部



 七十八

 二人は一歩も引かず暫くお互い睨み合いながら相手の様子を伺っている。
 その時、更に職員室に入ってきたものがいた。生徒会長の水野美保だった。
 「如月先生。松下先生は犯人なんかではありません。その下着を松下先生に送ったのは私です。」
 「え? あ、貴方は生徒会長の水野さんじゃないの。どういう事、美保さん?」
 「私、見てたんです。如月先生が東高の交換授業で生徒たちの後ろでこっそりパンティを脱いでゴミ箱の中に落とすのを。」
 「な、何を言うの、水野さん。」
 「如月先生。違うって言うんならこのパンティは何処でなくされたって言うんですか?」
 「そ、それは・・・。」
 「本当なんですか、如月先生。水野さんの言ってること、本当なの? どうしてそんな事、なさったの?」
 「それは・・・、言えませんわ。」
 「如月先生。私は先生を責めに来たわけではありません。ただ、松下先生の事は疑わないで欲しかっただけです。失礼します。」
 それだけ言うと美保は職員室の外に走り出していく。
 「待って、水野さん。待ってちょうだい。」
 慌てて美保を追いかける菜々子だった。職員室には訳が分からず、ただ茫然と立ち尽くす如月美月が、手に自分のショーツを持ったまま立ち尽くすのだった。

高野恭子顔

  次へ   先頭へ



ページのトップへ戻る