悪夢の前夜祭
第三部
六十九
コンコン。
「失礼します。松下先生にこちらに伺うように言われて来た高野恭子ですが。」
「ああ、君が高野君か。入ってここに座り給え。」
次の日のターゲットは水泳部キャプテンの高野恭子だった。プロフィールやここに至る経緯は朱美から全て聞いて頭に入っていた。
「カウンセリングは初めてだよね。カウンセリングは心のリラックスが一番大事なんだ。診察を始める前にこれをまず一杯、呑んで貰います。これには心を静める作用のある成分が配合されています。味はスポーツドリンクみたいな感じだから吞みやすいとは思います。呑み終わったところで隣の診察用のベッドに案内しますので、そこでアンケートのような設問に答えて貰います。特に君のプライベートな部分について訊く訳ではないので、安心して答えてください。勿論答えたくない質問には答えなくても構いません。」
早乙女玲子で一度経験済みなので、よどみなく案内の説明が終わる。恭子も最初はちょっとどぎまぎしていたが、カウンセリングが思ったより普通のやり取りだったので少し安心し始めていた。
薦められた飲み物を飲み干した後、奥の診察室のベッドに横たわった恭子が深い眠りに落ち込むまでにはそう長い時間は掛からなかった。水泳で鍛えたしまったボディは、均整がとれて長い手足もはちきれそうな若さに溢れている。
麻酔で深い昏睡に入ったことを確認すると、鬼頭医師は慣れた手つきで恭子の着衣を遠慮会釈なく次々と剥ぎ取っていく。
陰毛も露わな全裸状態に着衣を脱がしてしまうと、玲子の時と同じように覚醒した時に金縛り状態にあると錯覚するように、手足を柔らかいシリコンゴムの帯で拘束し、眼にはアイマスクを装着させてしまう。これで明りさえ落としてしまえば、目覚めても自分が起きているのか夢の中に居るのかも分からなくなってしまう筈だった。そこまで準備が整うと、最後に恭子の剥き出しの乳首と陰唇に丁寧に催淫剤のクリームをたっぷりと塗りたくっていく。目覚めた時にこのせいで刺激が欲しくて堪らなくなってしまう筈だった。そしてそのことは玲子の時に実証済みなのだった。
次へ 先頭へ