スケバン三人組

狙われた弓道部長 麗華




 四

 「おい。ここに真行寺麗華ってやつが居るだろ。ちょっくら顔、貸しな。」
 突然、弓道場に現れたスケバンたちの姿を見て、下級生の後輩部員たちは蒼くなる。
 「大変よ。変な不良みたいのがいっぱい来たわ。部長に知らせなくっちゃ。部長は?」
 「道場の奥で正座して精神統一してるわ。呼んできて。早くっ。」
 やって来たのは竹刀を手にした学校じゅうでも評判のスケバングループだということは一目で判ったのだ。しかもその後ろには助っ人らしき人相が悪く体格のいい男子生徒も数人控えているのだ。
 道場の奥の広間に走り込んできた下級生が部長の麗華に声を掛ける。
 「真行寺部長、大変ですっ。」
 「どうしたの? 何やら騒がしいけど。」
 「何だか不良っぽい男女が何人も突然道場に入り込んできて、部長を出せって言ってるんです。」

 入り口の方では、おろおろしている下級生の女子部員をスケバンたちが締め上げている。
 「麗華っていう部長は何処?」
 「は、放してください・・・。奥の広間で精神統一の修行中です。」
 胸倉を掴まれた女子部員は泣き入りそうな声で怯えていた。その女子部員を壁際に突き飛ばすと、スケバンたちは奥へ向かう。

スケバン声掛け

 「居たわ。アンタが麗華って部長ね。ちょっと顔を貸して貰おうかしら。」
 振り向いた麗華が竹刀を手にしたスケバンたちに気づいて睨みつける。
 「何ですか? 竹刀なんか手にして。今日は剣道部の練習の日ではありません。今日は一日、弓道部の練習日ですよ。」

 「いやーっ。やめてぇー。」
 道場の方から下級生の悲鳴が聞こえてきて、麗華は精神統一の為の座禅を中断させてすくっと立ち上がる。
 「何をしてるの。下級生たちを放しなさい。」
 「だったら、アンタがおとなしく私達のところへ来ることね。」
 「私に何の用があるっていうの?」
 「アンタには詫びを入れて貰おうと思ってね。その前にちょっとヤキを入れておく必要がありそうね。おい。お前ら。こいつを抑えつけて。身動き出来ないようにしたら、後は私達がこの竹刀で折檻してやるから。」
 「貴方たち、何を言っているの。私は貴方達に折檻をされるような謂われはありません。」
 「お前が何をしたのかは、これからよおく知らしめてやるわ。さあ、男ども。こいつの腕を抑えてしまうのよ。」
 後ろにいた男子生徒等がスケバンの合図で前に出て来る。
 「ここは神聖な武道の為の道場ですよ。喧嘩をする場所ではないわ。それに私は貴方達と争うような謂われも覚えもありません。」
 「いいから、こいつを抑え込んじまって。少し痛い目に遭わせればおとなしくなるだろうから。」
 男三人が麗華を囲むように立ちはだかると、じわりじわりと距離を詰めてくる。

麗華

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