狙われた弓道部長 麗華
二十
「ああ、麗華先輩。わたしの代わりになってそんな格好にさせられるなんて。」
「いいのよ、美桜。この人達は何故だか知らないけれど私のことを辱めるのが目的なの。貴方を巻き込む訳にはいかないわ。ねえ、貴方達。言われたとおりに裸で磔になったのだから美桜はもう解放して頂戴。」
「もう少しの間だけ、こいつには縛られたままでいて貰う。お前の相手をしてくれる男がもうすぐここへ到着する手筈になっているんでね。そいつが来たらこいつは逃がしてやる。」
(わたしの相手をしてくれる男・・・? 何のことだろう・・・。)
ちょうどその頃、朱美に呼び出された磯部睦男が朱美から段取りを言い含められていた。
「じゃ、ほんとに真行寺麗華と出来るんだな。」
「そうよ。あんたがあの女と裕也のことを教えてくれたご褒美よ。お前があの女に惚れてるってのはバレバレなんだよ。どうせ、毎晩あの女の事を考えてオナニーして慰めてたんだろ。」
朱美にいきなり図星を突かれて睦男は狼狽える。
「うっ。そ、そんな事・・・。」
「どうせ、お前はまだ童貞なんだろ? 多分お前の憧れの麗華さまも処女に決まってる。だからお前は麗華の処女で童貞を卒業できるのさ。悪い話じゃないだろ。」
朱美の思いもかけない話に睦男は思わず生唾を呑み込む。
「ほんとに俺なんかにそんな事、させてくれるんだろうか。」
「あの女がさせてくれるんじゃなくて、このアタシがやらせてやるっていってるんだよ。じゃ、出掛けるから支度しな。」
「支度って?」
「別に何の準備もいらねえんだよ。コンドームもな。中出ししていいからな。出来たらアイツに孕ませてやれれば上出来だ。」
「聞いてるだけであそこが大きくなってきちまった。」
「向こうに着く前に早まって出しちゃうんじゃねえぞ。しっかり精液は溜めておけよ。」
睦男は朱美の案内で麗華たちが居るポンプ所へ向かうのだった。
ポンプ所というところに麗華は居るというのを聞いて、睦男は麗華のことを想像する。
(麗華がやらせてくれるんじゃなくて、朱美がさせてくれると言ってたっけ。だとすると麗華は縛られているんだろうか。麗華が自分から俺みたいなのにさせてくれる筈はないから、無理やりするのかな・・・。)
それでも睦男は縛られている麗華のことを想像するだけで、股間が窮屈になってくるのを感じていた。麗華のことを考えて自慰をするときも、麗華の方から抱きついてくるのはどうしても想像出来ず、睦男が無理やりするというシーンばかりしか浮かんで来ないのだ。それでもそれが現実に出来るのだと思うだけで興奮してくるのだった。
「ここがポンプ所か。」
ひと気のない裏山の更に裏側に立つコンクリートの大きな建物を観て、睦男は改めて体中が興奮してくるのを感じる。
「そうよ。上流の貯水池に水を送る装置を格納してあるの。悦子の親が水道局に勤めてるからこっそり鍵を盗み出してきて貰ったの。ポンプは音が大きいからこういう人里離れたところに作ってあるの。ポンプの音も外に洩れないように壁とかも頑丈に作ってあるから、多少悲鳴とか上がっても外には聞こえないわよ。」
(麗華が俺の愛撫で悲鳴を挙げる・・・? ああ、興奮する。)
「さ、入って。睦男っ。おーい、睦男を連れて来たからあの小娘は解放してやっていいよ。」
睦男をポンプ所の建物の中に招じ入れる。入れ替わりで後ろ手に縛られたままの美桜が外へ飛び出していく。睦男が建物の中に入ると目の前には大きなカーテンのようなもので仕切られていて、その向こうに麗華は居るらしかった。
「さ、開けるわよ。吟子、悦子。幕を開けてっ。」
女二人がかりで目の前のカーテンが開かれる。その向こう側を観た睦男は思わず息を呑む。
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