狙われた弓道部長 麗華
三十
「おや・・・。なんだ。両手は手錠を掛けられていたのか。それで背中に隠していたんだな。それじゃ、得意の合気道もつかえまい。それならこないだの借りは返させて貰うぜ。たっぷりと可愛がってやるから覚悟しな。」
「貴方たち、手錠を掛けられた女一人に三人掛かりで向かってくるつもり?」
「吟子がハンデをつけさせるからって言ってたのはそういう事だったのか。折角貰ったハンデだからな。まずはこの間のお返しをするまでは、そのハンデは利用させて貰うぜ。」
男の一人が麗華の両手が使えないのを知って安心して麗華に飛び掛かってくる。掴まれそうになるのを咄嗟に身を翻して横に逃れれるが、すぐ前にもう一人が立ちはだかる。しかし麗華も俊敏に動いて簡単には捕まらせない。
「おい、竹刀と縄を持ってこいや。」
麗華もさっき部屋を見回した際に部屋の隅に竹刀とロープが転がしてあるのに気づいていた。一人が持ってきた竹刀を受け取ると一番手強そうな男が受け取って麗華に向けて竹刀を構える。
「おい。俺が竹刀で仕掛けるからお前は縄を持って隙を窺うんだ。いいな。」
「おう。」
竹刀を眼前に突き付けられて麗華も丸腰の上、後ろ手錠のままだが身構える。男が振り上げた竹刀が麗華目掛けて振り下ろされたが、その一瞬前に麗華の身体は横に飛び退いていて竹刀は空を切る。
「畜生、素早い奴だな。今度はどうだ。そりゃっ。」
横に振り回された竹刀だったが、今度も麗華は上手く体を交わしていた。
「そしたらこれはどうだっ。」
竹刀が今度は麗華の足首目掛けて振り下ろされる。麗華は身体が不自由ながらも咄嗟に飛び退いて竹刀を交わす。それを見た男は縄を持った男に耳打ちする。
(何をするつもりなの・・・。)
さすがに男たちの様子に麗華も不安を隠せない。
竹刀を持った男が麗華を見て一瞬にやりとする。
「いくぜっ。」
掛け声と共に身体を落として低く構えた男の竹刀が麗華の足首目掛けて横に払われる。堪らず麗華は飛びあがってそれを受ける。しかしそれは罠だったのだ。跳びあがった身体はどうしても着地せざるを得ない。そこを狙って輪を作ったもう一人の男の縄が待ち受けていたのだ。
(まずいっ。)
瞬間的にそれを察知した麗華が床に足先を付けるや再度跳びあがろうとする。しかしそれより前に男の縄が引き絞られていた。何とか片足だけは逃れたものの、もう片方の足首には絞られてきた縄の輪が絡みついてきた。両手が自由だったらすぐにその縄を引き外したに違いなかった。しかしそれは後ろ手に手錠を掛けられた麗華には叶わぬことだった。
「ようし。掛かったぞ。これでもうそう簡単に逃げおおせはしねえぜ。」
「ひ、卑怯よ。手錠の上に縄まで掛けるなんて。」
「へっへっへっ。さあて、今度はどうやって逃れるのかな。」
非情な薄笑いを浮かべると再び男は竹刀を構える。男が狙ったのは今度も足首だった。慌てて咲は跳びあがって逃れる。しかし着地する寸前に片足に絡まった縄が思いっきり引かれたのだった。麗華はバランスを失って尻もちをついて倒れ込む。トレーナーの裾がぱっと開いて股の付け根が見えそうになる。
「おっ、やっぱりこいつ。ノーパンだぜ。」
「いやっ。」
慌てて麗華は脚を折り曲げて、裾の奥が丸出しになりそうなのをなんとか隠す。しかし片足には縄が繋がったままだった。男は麗華に脚を開かせようとその縄をぐいぐい引き絞る。麗華は不自由な身体で何とかそれに耐えて縄で足を持ち上げられてしまわないように力を篭める。
「もう、あがいても無駄だぜ。」
竹刀を持った男がその切っ先を麗華のトレーナーの裾の中に突きさすように押し込むと上に捲り上げる。
「きゃっ。」
股間を露わにされそうになって、麗華は慌ててうつ伏せに体を返すが、裸の白い尻が丸出しになった。そこを男の竹刀が思いっきり打込んできた。
パシーン。
鋭い音がして男の竹刀が麗華の裸の尻の上で炸裂する。
「うぐっ・・・。」
悲鳴を挙げるのを必死で堪えた麗華だったが、呻き声は洩れてしまう。その間にもう一人残った男が別の縄で輪を作っていた。竹刀を持った男が顎で合図すると自由だった方の足首にも縄を掛けられてしまう。
(し、しまった・・・。)
両方の足首に縄がそれぞれ掛けられてしまうと、もはや麗華には逃げることも叶わなくなってしまった。
「さあ、これでもう逃げられまい。尻を丸出しにしな。」
男はそう言って今度は脚の先で麗華のトレーナーの裾を捲り上げる。白い尻たぶが露わになるのを両側から足首を縄で引かれている状態ではどうすることも出来ない。
「おう。今度はお股のご開帳といこうぜ。縄をそれぞれ反対側に引いてこいつを上向きにさせようぜ。」
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