妄想小説
罠に嵌るチア女子 蘭子
六
「そう。じゃ、あと一歩であの西高の連中にヤキを入れてやれるところだったのに三浦クンが入ってきちゃったって訳ね。」
手下の河田沙季から報告を受けてはいたが、女番長を張っている虹子はさほど残念がるようでもなかった。
「そう、お嬢。あの澄ました麗子って奴、パンツ丸見えにさせて晒し者にしてやるところだったのに。」
「まあ、いいわよ。沙季。三浦クンにはアタシ達の邪魔しないように、よおくアタシから言っとくから。麗子って下っ端はどうでもいいけど、あの蘭子を辱めてやれなかったのは残念ね。あのクソ生意気な部長は、今度こそぎゃふんと言わせてやらなくちゃ。この真行寺家の財力と東雲学園の経営力を総動員しても、あの蘭子を思いっ切り辱めて二度と男達の前に出れなくしてやるわ。」
「何かうまい手はないかしら。」
「沙季、まあ私にも考えがあるから任しておきなさいよ。アンタにも一役買って貰うつもりでいるんだからね。」
「そうなの? お嬢の言うことなら、アタシ何でも聞くからね。いつでも指示して。」
そういうと沙季は自分達がお嬢と呼んでいる真行寺虹子にウィンクしてみせるのだった。
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