出番待ち

妄想小説

罠に嵌るチア女子 蘭子



 二十九

 一人でそっと女子トイレに入ると、誰もついて来てないのを確かめてから覚悟を決めてさっとアンスコとショーツを一気に抜き取る。既に昨夜無毛にしてあるあそこに冷たい風が吹き過ぎたような気がした。掃除用具庫の棚にそっと脱いだばかりのアンスコとショーツを丸めて隠すように置くと、何気ない風を装って蘭子は美桜や麗子たちの元に戻ったのだった。

 「早くっ、蘭子。もうすぐ出番よ。」
 「わかってるわ、美桜。麗子。じゃ、行くわよ、みんな。」
 最後の演技の中心は西高チア部の精鋭メンバーだ。そして蘭子はその中でもセンター役なのだった。
 「それでは最後は西高チア部による模範演技になります。お願いします。」
 生徒会長からのアナウンスが体育館のスピーカーから響くと、チアダンスの音楽に切り替わった。蘭子たち精鋭メンバーの切れのいいダンスが始まる。しかし美桜と麗子は蘭子のダンスがいつもと違って腰の振りが緩いのに気づいていた。
 (蘭子ったら、どうしたのかしら。いつものダンスの切れじゃないわ。)
 いよいよチアダンスはクライマックスに差し掛かる。
 「美桜、麗子、頼んだわよ。」
 蘭子は投げあげられる直前に両隣の二人に小声で声を掛ける。
 「大丈夫よ。ちゃんと受け止めるから思い切って回転してっ。」
 「いくわよ。」
 蘭子が二人の両肩に手を掛けると、両側の二人が両手を組んで足掛かりを作る。そこに蘭子が足を掛けると二人がタイミングを合わせて蘭子の身体を持ち上げ上へ投げあげる。蘭子の身体が宙に舞う。その瞬間だった。

蘭子

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