妄想小説
罠に嵌るチア女子 蘭子
二十五
「沙季っ。カメラ、用意して。決定的な瞬間をちゃんと写真に撮るんだよ。」
「わかったわ。準備、オッケーよ。お嬢。」
「じゃ、蘭子。口を大きく開けな。おい、好男。蘭子の口めがけて出しな。」
「おっ、いいのか。出していいのか。」
「いいから早く蘭子の顔に向けて小便を出すんだよ。たっぷり水は飲ませたからすぐ出るだろ?」
「うっ。そ、それが・・・。」
「どうしたんだよ。早く出せよ。」
「うううん。それが・・・。勃起してると、小便はなかなか出せないもんなんだよ。」
「ええ? なんだって? 面倒臭い奴だな。」
「ザーメンだったら出せると思うけど。蘭子の口に挿し込ませてくれたら。」
「生意気な事、言ってんじゃないよ。お前にフェラチオは百年早いっていったろが。早く小便出しなっ。」
「ああ、無理だよお・・・。」
その時、突然チア部の部室の扉をどんどん叩く者が居た。
「開けろっ。早くここ、開けな。蘭子、居るんだろ。助けに来たよ。」
「西高のやつらだな。おい、しっかり扉抑えておきな。」
(美桜と麗子の声だわ。)
「早く開けないと、ここぶち破るわよ。こっちはおっきなバール持って来てんだから。」
そう言うと、今度は拳骨ではない金属のもので扉の蝶番を叩き壊すような音が響き始めた。
「蘭子、今助けるからね。」
寸でのところで助け出された蘭子は美桜と麗子に抱きかかえられるようにして西高チア部の部室へ戻ってきたのだった。
「だから独りで行っちゃ駄目っていってあったじゃないの、蘭子。いったい、何をされようとしていたの?」
「ああ、大丈夫。何でもないわ。助けに来てくれてありがとう。」
「お礼なんていいわ。もうアイツらの言うことなんか聞いちゃ駄目。分った、蘭子?」
「ええ、でも・・・。」
東高チア部の部室の扉を壊してまで助けに来てくれた美桜と麗子にお礼は言うものの、それで済むとは思っていない蘭子なのだった。
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