水泳部顧問スマホ見せ

悪夢の前夜祭


 第一部



 十八

 朱美たちは最後にプール脇の女子更衣室に閉じ込めている水泳部顧問の宮崎久美子の元へやって来る。
 「教え子の高野恭子の事が心配なんだろ。今、スマホの動画で見せてやるよ。ほらっ。」
 下着だけの姿で両手を天井から吊られた格好の水泳部顧問教師、宮崎久美子にプールサイドで両脚を開かされてデッキブラシに繋がれて寝転ばされている高野恭子の哀れな姿が映し出される。
 「さ、この更衣室も鍵を掛けておいてやる。変に騒げば男たちに気づかれてお前も餌食になるんだよ。そんな恰好のお前を見たら丸裸にして一発やりたくなっちゃうのは男の本性ってもんだからね。おとなしくこの画面を見守っているんだよ。」
 そう言って朱美たちは宮崎久美子を縛ったままスマホを残して出ていってしまう。

 全ての生贄となるキャストの西高運動部キャプテン達と、その生き証人となる顧問の教諭等のスタンバイを終えた朱美と悦子はいよいよ西高文化祭の自称、前夜祭である酒池肉林の特別イベントの開会を宣言するべく西高放送部の部室へ向かったのだった。
 事前に東高のライン連絡網を通じて募った東高の童貞男子等は、西高キャンパスの門のすぐ外側に待機している筈だった。その男共に向けて前夜祭の開幕を宣言し、会場への突入を指示すればいいまでに状況は整っていた。
 西高とその隣り合わせに位置する東高は、市街地から少し離れた郊外の小山の中腹の裏手にある。その為、キャンパス内、構内全棟、体育館、グランド、そしてそのすぐ外側のキャンパス外側へ向けて放送室から一斉に声を流しても一般住民が棲む住宅地までは音声が届く心配はないのだった。

高野恭子顔

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