近未来性教育プログラム
二十五
「ほら、これなら十分な太さと長さがあるわ。しかも電動式で振動すると本物と同じくらい気持ちよくなれるのよ。充分感じてきたところでこのボタンを押すとシリンジの精液が膣の奥に噴出される仕組みになっているの。感じてるほうが妊娠しやすいって統計もあるみたいだから、すぐに徴妊制を卒業できるわよ。」
「や、やめて・・・。そんな事、しないでっ。」
「ふふふ。駄目よ。これは国が定めた国民の義務なんだから。徴妊制資格到達年齢までに自発的に妊娠出来なかった貴女自身の責任でもあるのよ。折角だから、これが欲しくて堪らなくなるように催淫クリームも貴女の陰唇に塗りたくってあげるわね。」
「あ、嫌っ。こんなところに何を塗っているの? あ、変だわ。カッと熱くなってきた。ああ、今度は痒くて堪らなくなってきたわ。ああ、痒いっ・・・。ああ、どうにかして。」
「ふふふ。あそこが疼いて堪らないのでしょう。これを突っ込んで欲しいって言うのよ。さあ。」
「ああ、駄目っ。そんなもの。ああ、でも我慢しきれない。ああ・・・。痒いっ。我慢出来ないわ。い、いいわ。そ、それを・・・。それを私のあそこに挿してぇ。」
(えっ、何・・・? 私、どうしてたの・・・?)
我に返った薫は、自分のパンティの中に手を突っ込んで陰唇を激しく掻き毟って慰めながら悪夢を見ていた自分に気づいたのだった。
(夢・・・だったのね。)
ぐっしょり濡れたパンティの内側のぬめりを指の先に感じながら、オナニーの後の罪悪感にさいなまれながら下着から手を引き抜いた薫だった。
(ああ、おぞましい夢だったわ。やっぱり徴妊制度なんかで強制的に妊娠させられるのなんて絶対に嫌だわ。その為にはやはり心に決めたことを実施するしかないのだわ。)
悪夢を払拭するかのように薫は決意を新たにするのだった。
次へ 先頭へ