近未来性教育プログラム
十七
「こ、これは・・・。」
渡された次世代性教育プログラムの第二段階のカリキュラムである指導要録を目にした薫は想像を超えるその内容に啞然としていた。
(ここまでやるというのか。ここまでしないと、性の本能は目覚めないのだろうか・・・。)
それは、男子生徒等に女子生徒を襲わせるという内容なのだった。しかも自分達、男子生徒より数は少ない女子生徒を互いに奪い合って自分のものにするという内容なのだった。
選抜クラスの中でも更に選ばれた四人の男子生徒はそれぞれ個室に案内されていた。暗く照明を落とされたそれぞれの部屋には男子生徒は自分一人しかおらず、教官である早乙女薫の声が壁に埋め込まれたスピーカーから響いてくるだけの何もない部屋なのだった。
「それでは、近未来性教育特別カリキュラムの第二段階の授業を受けて頂きます。この授業では実践的な実習として狩猟ゲームに挑戦して頂きます。」
薫の声が壁のスピーカーから響いて来る。薫の方には同じく壁に埋め込まれたカメラから授業にやってきた男子生徒の姿が見えているが、生徒からは薫の姿は見えない。
(狩猟ゲームだって? いったい、何をやらせようというのだろう・・・。)
個別の要請を受けてこの特別授業の特殊な会場にやってきたアキトは不安な面持ちで講師である薫からの指示を待つ。
「まず、部屋の隅にあるテーブルからアイマスクを取って装着してください。」
スピーカーからの声で部屋を見渡すと薄暗い部屋の隅に小さなテーブルがあって何やら置いてある。
「アイマスクと一緒に一束のロープもあるのでそれを持って部屋の中央に戻ってください。」
アキトがテーブルに近寄ってみると確かにアイマスクとロープが置かれている。それを持って部屋の中央に戻るとアイマスクを頭に装着する。
「それでは、今度はズボンとトランクスを取ってください。」
(え、下半身裸になれって言うのか?)
しかしアイマスクをして視界が奪われた状態では不思議とペニスを剥き出しにして下半身裸になることにそれほどの抵抗はなかった。前回の授業でもペニスを露出させられたことで多少の慣れが出来ているのかもしれないとアキトは思う。
「それではルールを説明します。これから係の者が入ってきたのとは別のもう一つの扉の方へ案内します。その扉の向こう側は少し広めのホールになっています。そこには何人かの男性が同じようにアイマスクをして入ってきます。更に部屋の中には何人かの女子生徒も入っています。女子生徒も目隠しを着けています。しかし女子生徒の数は男子生徒より少なくなっています。これからホールに入ってその女子生徒を捉えて服を脱がし両手を手にしたロープで縛って捕獲して貰います。当然、男子生徒の方が多いので取り合いになるのを覚悟してください。笛の合図で開始し、二度目の笛が鳴ったら終了の合図です。終了の合図までに首尾よく女性を裸にして縛り上げることが出来れば、ご褒美としてその女性を好きにすることが出来ます。女性は拒むことが出来ません。時間内に女性を捕らえることが出来ればこのカリキュラムの卒業資格を得ることになります。よろしいですね。それでは係の者の案内に従ってください。」
アキトには訳が分からない説明だった。
(女子生徒を捕らえる? 裸にして縛るだって? しかも女子は少なくて取り合いになる? 何か聞き間違えだったのだろうか・・・。)
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