近未来性教育プログラム
十九
アキホに言われて急いで床を探ってさっき手から取り落とした縄を拾い上げる。アキトがアキホの手首に縄を撒き始めると、縛りやすいように自分から交叉させた後ろ手を伸ばしてアキトのペニスを探る。それは既に頭を擡げ始めていて硬直してきていた。
縛り終えるとアキホの手にペニスを預けたまま後ろからアキホの裸の胸元を抱きしめる。
「まだショーツが残っているわよ。」
「うっ、そうだった。」
アキホの身体を放したくなくて、片手で少しだけショーツを下に下げるとアキホの両手に自分のペニスを握らせたままで足先でショーツを足首までずり下げるのだった。
ホールの別の隅ではいちはが男に捕まりそうになって必死で振りほどいていた。
「アンタじゃないの。龍之介っ。居ないのっ・・・。居るなら早く助けにきてっ。」
手探りで辺りを探っていた龍之介は突然名前を呼ばれて声のした方へ急ぐ。
「いちはっ・・・。」
「こっちよ、龍之介っ。」
「ああ、いちはっ。俺でいいんだな?」
「ええ、そうよ。あなたとは生物学的な臨床体験がまだ終了はしてないものね。最後まで完遂しなくちゃ。」
龍之介もいちはが裸になるのと縛られるのに協力してくれているので、あっと言う間にいちはを裸に剥くと手首に縄を回したのだった。
ピィーッ。
合図の笛が吹き鳴らされて、狩猟ゲームが終了したことが薫の声で告げられる。
「女子を首尾よく確保出来た人はそのまま係の者に案内されてそれぞれの個室へ戻ってください。まだ目隠しを取ってはなりませんよ。」
目の見えない格好のまま、アキト等は係の者に肩を押されて縛ったアキホの腕を取って導かれるがまま、個室へと移っていくのだった。
アキホにしろ龍之介にしろ、ホールに何人の男女が居て、女子を確保出来たカップルが何組居たのかは全く分からないのだった。
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